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medibaのベーススキルを支える研修プラットフォーム『Manabi』導入秘話 後編

本記事はmedibaで使われているSaaSのラーニングマネジメントシステム「Manabi」の導入についての座談会後編となります。前編は導入のきっかけから試行錯誤の様子を伺えましたが、後編は導入後の両社について伺うなかで、KDDIを支えるグループ企業としての連携にまで話が広がりました。

▼ 前編はこちら!


オンラインでも対話を重ね互いの理解を深める

——(前編までの「機能実装が大変だった」という話を受けて……)コミュニケーション量も多そうですがどういう形式でやられていたのですか。

本田:直接会ったのはじつは今日がはじめてで、ずっとオンラインミーティングとチャットでやり取りしていました。ミーティングをつなぎながらモブワークのようにやることもありました。

小山:Manabiは機能が豊富なんです。コンテンツ追加の設定項目も多くて登録作業中に理解が追いつかない場面もあったのですが、そこのレクチャーも時間をかけていただきましたね。

KDDIラーニング 市川

市川:ご導入いただいた企業の多くがそこで躓くことも多いので、用意したマニュアルを提供して「あとはどうぞ」という形ではやっていません。お困りの画面を共有してもらいながらレクチャーすることもやらせていただいています。

本田:進めていくなかで私たちのなかでも気づきがあったりして、「あ、Webサイトの構成に似ているな」などがわかると、一気に理解が進みました。

——今後、medibaで独自に研修をつくって入れたい場合は、もうおふたりからレクチャーいただけるということですか?

本田:はい、それはすでに始まっていますね。これまで受けていただいた研修のなかにも社内で追加したものがあります。研修だけでなく、ポートフォリオのような使い方もできそうですよ。

川田:多様な使い方の事例では、2019年のコロナ禍初期に、KDDIの管理職登用試験をManabi上でやったこともあります。国外も含めて実施されるので、時差による不正が発生しないよう、この時間だけ表示させるというような機能も活用して問題なく実施できました。

——いまは無事リリースして社員も受講していますが、導入後のお話も少し聞かせてください。

本田:プラットフォームが統一されてオンデマンド研修を受講できるようになったことは、受講者側にとって非常によかったことだと思っています。管理側にとっても本当に運営しやすくなりました。ここからはたくさんある機能を私たちがどう使いこなしていくかなので、そこも継続してご相談させていただきたいですね。

——受講した社員の声などは届いていますか?

小山:ツールについてのアンケートなどは取っていないのですが、自分のタイミングで受講しやすいとおっしゃっていただく人はいましたね。

mediba 小山

——私は動画の再生速度を変えて受講することもあるのですが、そこも設定項目なのでしょうか。

本田:あります。可聴性の保たれる範囲で2倍までにしています。それ以上の速度だと理解できないですよね。

川田:再生速度の変更は2023年4月からの新しい機能なんですよ。世の中のタイパブームとも合わせて再生速度の変更制限を解除しました。

 “求める機能”をブレずに追求

本田:今回はじめての取り組みとしては、テストを受けて「合格ならOK」だけど、不合格なら「この動画を見てね」という出し分けです。ベーススキルについては受講前の時点で理解度がバラバラだと思ったので。

市川:結果を条件に判定して受講につなげるというやりかたですね。

——私の上長は最初にテストを受けてから受講動画を見たようです。

本田:はい、「すでに理解できている人」は、そういう形で進められるとよいな、と思って。
すでに学んでいる、知っている、ものをまた学ぶよりはいいですよね。

左:mediba 本田、右:KDDIラーニング 川田

川田:新しい使い方や開発ができたことで、medibaさんへの導入実績をもって、ほかのグループ会社さんへの提案にもつながるようになりました。「じつはこういうのをやっています。できます」と。

——試行錯誤という話もありましたが、グループ会社だからできたことですよね。

川田:あのトライアンドエラーはふつうのお客様相手だとさすがにできないです。この関係だからできたのだと思います。

今回新しい形での導入をいっしょにやってみて思ったことは、双方が「絶対にこれを実現させよう」という強い想いのなかで目標がブレなかったのって結構すごいよな、ということです。

本田:私、結構譲りませんでしたよね(笑)。

川田:いい意味で厳しいプロだったと思います。

左:mediba 本田、右:KDDIラーニング 川田

本田:私たちの工程のあとにも人(受講者)がいるので、プロマネとして厳しくやらなきゃいけないところでしたね。間に合わせるために諦めたものもあるし、いろいろな判断をしました。

市川:導入企業側のITリテラシーも大事で大きく影響する部分ではありますが、最低限のベースがあるかどうかでスピード感もまったく違ってきます。

要件のところや、運用を見据えた設計やデザインなど、どんどん出していただいて助かりました。

本田:ありがとうございます。私はサービスの運用イメージがないものは絶対に要件に入れないです。

小山:本田さんはそう思っているだろうなと私もわかりました。過去に事業側でもいっしょに仕事をしていたことがあるので、諦めたくない要件や、なにを実現したいのか、みたいビジョンがなんとなくわかったんです。

KDDIグループの教育・育成にいい循環を

——KDDI社が打ち出しているサステナビリティ経営という方針も意識した取り組みでしたでしょうか?

川田:はい、そこに則ったサテライトグロース戦略では5G通信を中心に衛星がまわっているモデル図があります。そのいちばん外側の円に「教育」という衛星があるのですが、我々がその衛星をどう担っていくかがポイントだと思っています。

いままでは各グループ会社さんが「KDDIはどのような研修をやっているのか」というところに興味を持って、それを展開してほしいという要望が第一にあったと思いますが、我々としてはManabiのプラットフォームで各社がさまざまな研修を展開して、それをKDDIグループ内循環させたいと思っています。

——たとえばmedibaのベーススキル研修がほかの会社でも使われるというようなことですね。

本田:ベーススキルそのものは権利の問題もあって簡単にはできませんが、medibaオリジナルの研修なんかは他社さんにも展開したいですね。プレミアムな価値のあるものであれば有料で展開することもできるのではないかと、密かな野望として持っています。

川田:それがまさにサテライトグロース戦略になるので、我々がハブとなっていければと。グループ各社が持っている「強み」はまだ見えきれていない状態だと思っていますので、medibaさんと協業で、グループ会社の教育担当の皆さんに集まってもらう人材交流会をスタートしました。

そのなかでなにかいいものが出てきたり、教材や育成・教育のいい循環ができたりするといいですね。


座談会の模様は以上となります。KDDIの研修コンテンツも内包したプラットフォーム『Manabi』の導入についてご理解いただけましたでしょうか。今後、研修以外の使い方についても広がっていきそうで楽しみですね。


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