「経理のテレワーク」はできる!出社2割を実現できた理由【バックオフィス特集02 経理編】
medibaがテレワークを導入して1年。その継続の裏側にあったのはバックオフィス各部門の試行錯誤でした。
「導入時の課題は? 定着させるまでに何を? 今後の取り組みは?」
そんなテレワークへの移行プロセスとこれからを掘り下げる連載企画「バックオフィス特集」。 前回の記事はこちら。
第2回は、「テレワークは難しい」と言われる経理部門。出社を2割までに抑え、“経理のテレワーク”を成功させた経営管理部の桂の言葉を、入社以来テレワークで過ごしている20新卒の下舘がお届けします。
「紙」があるから経理のテレワークは難しい
まずやったのは業務の洗い出しです。「出社しなければできない業務」は何か、できないもののなかで「運用を変えればテレワークに対応できる業務」は何かを精査したんです。
グループメンバー全員で話し合い、1~2時間程度で方向性は定まりました。「テレワークしたい」というメンバーも多かったので、前向きに議論できた気がしますね。
最大の課題は「紙」でしたね。
そもそも請求書が紙で送られてきたり、一定期間紙で保存しないといけない税法上のルールがあったり……、やはりここが「経理のテレワークは難しい」と言われる要因です。
これまでの請求書などを保管しているロッカー。ファイルの数が多くてスペースが足りません……。
課題解決には、細かな工夫が必要
「紙」の課題を解決するためには、さまざまな対応が必要でした。
まず、提出書類はすべて電子化対応をしました。請求書や領収書など、これまで紙で提出してもらっていたものを、データで受け取れるようにしています。
ただ、そのままデータで保存することはできないんです。データ保存の要件を満たすためにツールの入れ換えが必要で……。それにはかなりの時間と労力がかかるので、すぐにはできない。
そのため、わざわざデータを印刷して紙で保管しなくてはいけませんでした。時間がかかるし、出社しないと対応できないので、効率も悪いですよね。
そこで、印刷作業が自動化できるシステムをRPA※チームに依頼し、改善してもらいました。
おかげで、データに名前つけて保存したり、必要事項を記入したり……といった細かい作業が無くなりました。業務効率が上がり、さらに出社も抑えられましたね。
※ RPA(Robotic Process Automation)とは、人間がコンピューター上で行っている定型作業を、ロボットで自動化すること [参考]【必読!!】RPAとは?RPAを導入するメリットから導入方法までをわかりやすく解説! | RPA テクノロジーズ株式会社
ほかにも、他部署向けの提出ルールの変更や、元々使っていた精算ツールの機能追加など、細かな工夫でひとつひとつ課題を潰していった感じです。
また、出社を抑えるため、確実に出社が必要な振込業務も工夫しています。これまで一部の社員のみが行っていたのですが、全員できるようにしてシフト制で回すことに。これによって、経理グループ全体の出社を抑えています。
こうして工夫を積み重ねてきましたが、なかでもルール整備が大変でした。運用変更に伴い、社内ルールも各所更新しなくてはいけないので、そこを話し合って詰めていくのは少し骨が折れましたね。
“経理のテレワーク”に大切なのは「柔軟性」
おかげで現在は、経理グループとして月に4~5回の出社に抑えられています。現状ではこれが精いっぱいですね。
経理はテレワークが難しいと言われる部署ですが、その理由は2つあると思っています。
ひとつはやはり「紙」。法的なルールもあるので難しい部分ですが、私たちのように最大限工夫することはできます。
そしてもうひとつは、経理という部門特有の性質もありますかね。私の感覚ですが、ルール通りの進め方を重視して変化を嫌う傾向はあると思います。上長にそういう傾向があると、理解が得られずテレワーク化が進まない、ということもあるようです。
なので、柔軟性は重要ですね。その場に応じて柔軟に変化していく意識を根付かせることが必要だと思います。
柔軟な姿勢で、それぞれの働き方を
現在の課題もやはり「紙」と「システム」。まだ残っている紙の課題を解決するためには、システムごと入れ換える必要があります。
そのために、経理だけでなく、エンジニアや他部署のメンバーも巻き込んだプロジェクトを立ち上げる予定です。
こうして課題を解決していけば、私は経理の完全テレワークも可能だと思っています。自分含め、メンバーそれぞれの働き方に合わせて、経理業務も柔軟に対応できるようにしたいですね。
medibaの経理は“お堅くない”!
桂さん、お話ありがとうございました。昨年入社した私は、経理が具体的にどんなことをしているのかさえ知らず、なんとなく“お堅い”イメージを持っていました。
しかし今回お話を聞いて、そのイメージはがらりと変化。現状を打破し、自らより良い働き方をつかみ取る“柔軟な”部署でした。
「テレワークが難しい」と言われるなかでも、あらゆるヒトと協力して、ひとつひとつ解決すれば不可能なことはないのだと思います。私もその思いで、仕事に励んでいきたいです!
最後まで読んでいただきありがとうございました。あなたの「スキ」がmediba+編集部の励みになります!