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企業の想いをカタチにし、伝えていく、medibaブランドデザインの話【mediba Designers #24】

medibaのデザイナーたちが、取り組みや知見を発信していく連載企画「mediba Designers」。

第24回は、CXO/クリエイティブセンターVPoC の藤原 亮(ふじわら・りょう)です。
UX/UIデザインを強みとするmedibaが行った、コーポレートサイトの一新やオフィスビルの移転などのベースとなるコーポレートブランドデザイン策定への取り組みについて紹介します。


今年は、コーポレートサイト、オフィス、ブランドツールと、medibaブランドデザインに取り組んだ1年となりました。クリエイティブ全体で取り組んできたことを振り返って、時系列でご紹介したいと思います。


medibaブランドデザインプロジェクト始動

2022.09

事業環境変化に応じた企業リブランディングの必要性は、以前から経営課題リストに挙げており、影響分析などの事前準備を行いながら実行タイミングを検討している状態でした。

今回、経営方針の意思決定でリブランディングに向けて本格的に動くことになり、広報チームとも構想段階から討議を重ね、弊社のインハウスデザイナーとエディターもブランドデザインに積極的に関与していくことにしました。

medibaには専任のBXデザイナー(ブランド体験デザイナー)はおらず、普段はプロダクトデザインやプロモーションを手掛けているUIデザイナーや、言葉やコンテンツに関わるエディターも、兼務プロジェクトメンバーとして集まって取り組むことになりました。

1.コーポーレートサイトリニューアル

リニューアルしたコーポレートサイトの画像

2022.10-2023.05

まず動き出したのはコーポレートサイトのリニューアルです。

medibaでは、社員ひとりひとりが共有する価値観としてCREDO(志)を掲げ、企業ミッション「ヒトに”HAPPY”を」の実現に向けて日々活動しています。

サイトのリニューアルにあたっては、UX手法を用いてステークホルダーマップで関係者を洗い出し、対象者に「medibaらしさとは?」を問うブランド想起調査を応用して導入。

さらに社員の大事にしたい価値観、今後目指していきたい方向性などのキーワード抽出やビジュアルポジショニングへの落とし込み、Corporate Identity*1の再確認と、Visual Identity*2の策定から取り組みました。

「伝えたいこと」については、medibaがソリューション中心の事業モデルで自社ブランドの露出が少ないため「何をやっている会社なの?」が直感でわかりにくいという課題がありました。

そこへの解決アプローチとして、社長の新居とエディター、広報、デザイナーとで直に討議して事業モデル/提供価値の明文化/ビジュアライズに取り組み、新たに持続的社会の経営ミッションとして追加されたサステナビリティ経営宣言など、経営方針を伝えていく役割も持つようになりました。

また実装/運用観点では早い段階からエンジニアとツール選定を協議し、ノーコードツール(STUDIO)を導入し、開発/運用の効率化という課題解決にも挑戦しました。

現在、クライアント向けの営業ツールや、社内向け中期計画のメッセージングツールとしても活用されています。

*1 CI: Corporate Identity (コーポレートアイデンティティ)
企業文化を醸成し特性や独自性を統一されたイメージやデザイン、わかりやすいメッセージで発信し社会と共有することで存在価値を高めていく企業戦略のひとつとされる。
*2 VI: Visual Identity(ビジュアルアイデンティティ)
企業やブランドの価値やコンセプトを目に見える形にし、視覚を通してブランドメッセージを伝えるデザイン要素のこと。

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2.オフィスデザイン(六本木→目黒移転)

新オフィスエントランスの画像

2023.07-2023.11

ほどなくして、新オフィス移転の話が持ち上がりました。普段はデジタルデザインを手掛けているメンバーなので、建築/内装デザインは素人も同然でしたが「”medibaらしさ”を早い段階でお伝えし、ブランド体現になにかしら協力できるはず……!」とプロジェクト入りすることになりました。

こちらもUX手法を応用して、働き方と場の課題や期待値などを分析し、関係者で一貫したゴールイメージが持てるよう、人事チームとも連携し、リモートとリアルオフィスでのハイブリッドな働き方”Work Style Happy!”のコンセプトワークを実施しました。

また、出社率に応じたオフィス予算最適化も移転ミッションのひとつでした。予算や坪数といった制約と、目的に応じたリモート/リアルオフィスのどのユースケースで“medibaらしさ”を感じる場にできるかのバランスを取りながら進めていきました。

これまでの移転で経験値が上がっている総務とインフラチーム、内装担当の方々の意志決定の速さは凄まじく、集中できる執務エリア、ワイワイ話すことができる来客エリア、medibaらしさを感じられるエントランスなど、策定VIをもとに内装デザインを担当される方々との討議とプロトタイピングで、オフィスの具現化がどんどん進んでいきました。

medibaの強みのひとつであるユーザーリサーチを、コロナ禍で進化した調査内容に応じたリモート/リアル両方で実施できるユーザーインタビュー/観察ルームの設計や、出社率が低くなった分、接触頻度が低下して迷いやすくなった会議室名称に、エディターのラベリング力も活用するなど、ハイブリッドワークに最適なオフィスづくりに挑みました。

今後も、働き方やコミュニケーションの進化に合わせて、オフィス活用についても進化させていきます。

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3.ブランドツール

ブランドツールのイメージ画像

2023.08 - 現在進行中

最後にブランドツールについて。社名や会社住所の入った封筒などのブランドツールはオフィス移転に合わせて表記変更が必要となります。

じつは口頭やテキストでの討議では「デザインまで変えます……?」とデザイナー間でも工数対効果面から、必要性のイメージがいまいち湧かない反応が多かったです。

しかし、実際にプロトタイプを作成して「ツールのデザインに一貫性があった方がブランディング効果があると思いませんか?」とゴールイメージを可視化したアプローチを加えたところ……、「欲しい!」という反応に変わりました。

さらには「あれもこれも対応して欲しい!」と、どんどんリクエストが増え対応しきれない状況にまで変化していくことに。

「なぜやるか?」と「どうなるか?」の具体イメージ形成が、物事を動かす力の根源であるのは、どの局面でも当てはまるようです。

ここでプロジェクトメンバーを増やすことになりますが、人によって少しずつデザインがズレていき、人数規模に比例してデザインマネジメントも複雑になるという課題が発生します。

こうした場合の解決アプローチとしては、例えば①「人で解決する」、②「ガイドライン等ルールを導入する」、③「カルチャー浸透まで時間をかける」等々、いくつかの選択肢があります。

今回は規模感と時間軸から、より直感的でデザインワーク効率の良い、複数人でデザインしても一貫性のある”ブランドデザインシステム”を導入していくことになります。(つまり②を選択したということですね)

なお、ブランドツールは現在も鋭意デザイン中のため、またべつの機会にご紹介させていただきます。

メンバー増員とは言いましたが、このチームは兼務プロジェクトでのメンバー構成で稼働に余裕があるわけではありません。事業の繁忙期やアロケーションやスケジュールをうまくマネジメントすることで、今後もプロダクトとコーポレートブランドのデザインサイクルの試行錯誤を続けていきたいと思います。

コーポレートメインビジュアル画像

今後もmedibaは「ヒトに”HAPPYを”」の実現に向けて取り組んでいきたいと思います。

mediba Brand Design PJ (2022-2023)
Brand Designer:山口、松本、小山、小林
Brand Editor:渡邊、下舘、馬場、財前
Art Director:藤原
Special Thanks:関係者各位、ご協力いただいた皆様


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