au Webポータルの開発現場から始まるmediba Re;Growth 〜技術の垣根をなくして、ユーザーの課題に寄り添う〜
medibaではどんな仕事ができるの? 外からは見えにくいけど実は幅が広いmedibaのお仕事について、社内で活躍、奮闘する社員を通じてご紹介します。
今回は、先日開催された合同勉強会コミュニティー「BIT VALLEY -INSIDE- Vol.8」でもご紹介させていただいたau Webポータルの開発現場について、エンジニアの武田、前澤、尾野、森竹の座談会形式でお届けします。
―― まずは、自己紹介からお願いします。開発領域でどの領域を担当されているのか、についても教えてください。
尾野 拓也(以下、尾野):au Webポータルのシステム開発・運用全体の責任者をしています。今年の4月からは、会社全体のものづくりプロセスの刷新/構築をミッションとした”ものづくり推進部”の部長をやっています。今回の話の中心となる移管プロジェクトの風呂敷を広げたヤツです(笑)。
森竹 泰文(以下、森竹):au Webポータルのバックエンド開発を担当しています。そのほかにも、社内でのカイゼン・ジャーニーを通じたアジャイルの推進や読書会を企画、BIT VALLEY -INSIDE-(渋谷界隈の企業による合同勉強会)のコミュニティー運営を行っています。
前澤 正宜(以下、前澤): au Webポータルのインフラ+DevOpsを担当しています。2018年4月の入社なので、社歴1年のぺーぺーです。実は尾野くんとは新卒入社の会社が一緒だったりもしています。
武田 諭(以下、武田):au Web ポータルのフロントエンド全般を担当しています。チームにジョインしたのは2019年の1月からですが、これから話すプロジェクトのコンセプト作りにはその前から関わらせてもらっていました。
―― au Webポータルで大きなサーバー移管を行ったと伺いました。どのような取り組みだったのでしょうか?
尾野:ひと言で言うなら、ドラマのようなプロジェクトでした……(笑)。真面目にお話ししますと、「au Webポータルは変更容易性が低い。それを変えたい」というところが始まりです。サービス運用自体長いため、インフラ自体がレガシーで、新しいことを始めるのに障害も多かったんです。そこでサーバー移管と一緒に、時代や会社の課題に合った技術選定もしようと考え、プロジェクトを始動しました。
武田:関わったメンバーは20名ほど。知見ゼロだったので、外部へのヒアリングから始めて、期間としては丸1年くらいかかりました。4〜6月のヒアリングを元に、数名のメンバーでPoC(Proof of Concept)を作り、7〜9月はそれをベースに開発チームで何ができるか、というところを学習しながら進める、みたいな感じでしたね。
尾野:サーバー移管自体の経験や知見は僕らにもあります。でも今回のプロジェクトは、技術の垣根をなくして、ユーザーの課題にもっと寄り添えるようにすることを目的としました。
武田:今までだと、バックエンドはPHPを書いて、フロントエンドはJavaScriptを書いていたので、この時点で開発言語の垣根がありました。そこで、サービスをひとつのアプリケーションとして捉えて、フロントエンドが持っているスタックを中心に構築することにしました。そうすれば、同じ学習モデルをどちらの領域でも活用できるようになります。
尾野:新たな言語をお互いに習得するのには時間もかかるし、現実的ではない。要件はいつもユーザーが触れる部分から始まるはず、と考えて、そうしました。
―― どのようなことが難しかったですか?
前澤:今、2人がアプリケーションの作り方の話をしていましたが、インフラにも大きな変化がありました。medibaのtoCサービスでは初めて、コンテナ技術を使いました。世の中的にも知見がたまっているものではなかったので、本当に学習しながら構築を進めました。難しいチャレンジではありましたが、楽しかったですね。無事リリースできてよかったです。
尾野:正直、自分は最後まで導入を渋っていました。でも、これから来る技術のひとつだと感じてはいて、そこをインフラメンバーが率先して進めてくれたというのは素晴らしいと思っています!
前澤:あえて新しいところに突っ込んでいって、先に知見をためたいという気持ちはありましたね。うちのインフラ部で、その手の動きを積極的に応援してくれたのも大きかったです。もちろん、導入に伴ってのサービス選定は非常に難しかったです。各方面からの要望を満たすものがなかなか見つからず……、試用と検証を繰り返しました。
森竹:最初は「取りあえずコンテナ技術でやってみようよ」くらいのフラットな感じで取り入れましたね。ダメなら変えればいいじゃん、くらいの軽さで。
武田:「インフラおすすめの技術はこれですよ~」ってかなりエッジのきいた構成を提案してくれました。
森竹:インフラの動きを受けて、バックエンドのバッチアプリケーションでもコンテナ技術を取り入れました。グッドプラクティスはあるけど、ベストプラクティスがない、という状況だったので、自分たちがそれを創り出す気持ちで進めました。
前澤:世の中的にも今まさに発展途上の技術なので、プロジェクトを進めていく中で、欲しかった機能が実装されたりしました。そんなことって、正直あんまりないと思うんですけど、まさしく「ドラマ」のような展開でした。
尾野:本当に困難の連続でした。曲がりなりにもサーバーサイドの端くれだった自分が、 こんな大きな風呂敷を広げたのはいいけど、データの流れも、動くプラットフォームの特性も、アプリケーションのフレームワークも違う。そんな中でひたすら焦って、「なんでこんな風呂敷広げちゃったんだろう」って折れそうになりました。でも不安しかない道に、筋道を立てたり、積極的にチームに働きかける仲間がいてくれたことが心の支えになりました。森竹さんが知見を持った外部の方をつないでくれたのもうれしかった。
武田:僕はReact・Reduxおじさんになってましたね(笑)。
尾野:(笑)。武田さん自身がその技術に明るかったのもあるけど、徐々にチームメンバーもモチベーションを上げて取り組んでくれるようになって。そのあたりから「これは行けるんじゃないか!?」って気持ちになれました。
武田:元々使ったことのある技術ではあったので、medibaでも何かやりたいなとは思っていました。昨今だと、フロントエンドの技術をそのままバックエンドにも使うとか、フロントエンドの方をバックエンドに寄せるとかは一般的になりつつあります。だから知見は周りには絶対あるはず、皆の持つ知見を拾い集めていけば、絶対やれると確信してました。
尾野:使っている技術は違うけれど、サービスを創っているものは一緒なんですよね。
―― 大変なプロジェクトでしたが、学びはどのあたりになるでしょうか。
武田:まず、いちエンジニアとしての学びは本当に多かったです。べつに転職を考えているわけではないですが、自分の職歴の中に筆圧濃くかけるプロジェクトになったと思っています。「この技術を使ってこう作った!」と胸を張って言えるものになったんじゃないかなと。
森竹:確かに。もし自分がやるとしたら、多分今回のような取り組みにはならなかったと思います。フロントエンドの100%が新しい技術はチャレンジング。50:50で安全にやっちゃっていただろうなと。そういう意味でも「チャレンジしたくなるチーム」だったんだなと思います。
前澤:モチベーションのあげ方も興味深かったですね。ただのサーバー移管って、正直全くモチベーションが上がらないものなんです。それを「新しい技術を使おうぜ!」って盛り上がれる。それだけモチベーション上げられるメンバーに恵まれたというのも素晴らしいことだと感じてます。
尾野:本当にそう!そうなんですよ!
武田:チームとしての学習力も向上しましたね。今回、ペアプログラミングを取り入れましたが、今までの学習って何だったのか、というくらい吸収スピードが上がりました。どれだけ事細かに作ったドキュメントを配って読んでもらっても、わからないですよ。一緒にやってみないと、肌に染みていかないし、指になじまないです。エンジニア個人の学習能力に頼るのはやっぱり違うなと。
尾野:全体を通して挑戦することの重要性を改めて感じました。ゼロから学習することによって自分のインプットがたまって、それを発揮する(アウトプット)。それって目標を設定しないとできないものです。世の中の技術動向をちゃんと把握した上で、ちゃんとそれを仕事に落とす、それがマネージャーの仕事だと思っています。そのためには挑戦することは必ずやっていかないとなと思います。
一同:……(感心して静まり返る)。
尾野:あれ?しんとしちゃって大丈夫かな?(笑)今回、一貫して、メンバーの市場価値を高めることを念頭に置いていました。自分自身も初めて、攻めの提案・実行をしました。チームメンバーがOwnershipを発揮して進める姿をみて、プロジェクトの後半は感極まって泣きました。
武田:なんならお酒飲んで、この話するだけで泣けます。あと半年はこれでお酒飲めますね。
尾野:次のネタ作らないと(笑)。一方で、一連の流れの中でたくさんの方にご協力いただいたりご迷惑をおかけしたりしましたし、プロジェクトに再現性を持たせられていないなど、まだまだ課題はあって。ここはこれからも取り組んでいこうと思っています!
プロジェクトについては「BIT VALLEY -INSIDE- Vol.8」でもお話しさせていただき、資料も大公開しておりますので、よろしければご覧ください!
・武田「au Webポータルにおけるフロントエンドの取り組み」
・前澤「au Webポータルサイトリニューアル, インフラの取り組み」
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