複業人材受け入れ制度「複業さんいらっしゃい」に人事が感じる可能性
8月10日にmedibaより発表された新たな採用制度「複業さんいらっしゃい」。複雑な調整も伴う人事制度新設の準備を着実に重ね、この新制度について進めてきた人事担当の三井と小林に話を聞きました。
――複業人材の募集を開始しようと思った背景を教えてください
三井:今、採用活動も一つの転換点を迎えているのではないかと感じています。従来の正攻法であるエージェント経由やスカウトなどももちろん有効ではあると思いますが、働き方やニーズが以前よりも多様になってきていることは確かで、その変化の波の中では採用方法も新しい切り口を導入していくことが自ずと必要になってきます。そのための施策の一つとして、今回フルタイムではないけれど複業としてmedibaで働きたい方を直接採用する「複業さんいらっしゃい」(以下、複業人材)という制度の導入が決まりました。
今回は、第一弾としてエンジニアやデザイナーなどのクリエイティブ職の複業人材を募集していますが、複業人材を受け入れたことで、社内でもよいケミストリーが発生していく事例を作れたらと思っています。
――ちなみにあえて副業ではなく、複業という漢字を使っているのはなぜですか?
三井:プロフェッショナルとして複数の仕事(本業もmedibaも⇄medibaも複業も)に取り組んでほしいという思いを込めて“複業”としました。
――現在も業務委託や契約社員を受け入れていますが、今回の制度で受け入れる複業人材との違いは何でしょうか?
三井:現状の契約社員は、正社員と同じように、一日7時間で週5日勤務が前提にあるのですが、今回の複業人材は契約社員としてmedibaが直接雇用し、週に1日から2日で、週20時間未満を目安に働いていただくことが可能になります。時間の制約が少ないながら直接雇用するということはまだ一般的ではなく珍しいかなと思います。
また、業務委託との違いを制度面で挙げると、複業契約社員ならば有給やハイブリッド手当がつくなど、規定された福利厚生が受けられます。
もう1つ大きな違いは、直接雇用としてより多くの情報を共有しながら一緒に仕事ができるというところもあります。これは、双方にメリットがあると思っていて、より多くの情報を共有した状態で業務のアウトプットが出せるのは働きやすさにもつながるはずだなと。
小林:今回の複業人材採用はmedibaの直接雇用も可能になるので、会社のカルチャーだったり、人だったりに魅力を感じていただける方にはマッチする制度なのではないかなと思っています。
――いま、複業人材の受け入れをはじめた理由はありますか?
小林:今までも複業を受け入れることに関して潜在的なニーズはおそらくあるだろうなと感じていたものの、ニーズの洗い出しができていなかったのと、制度的な問題で整理ができていなかったので受け入れられていませんでした。
労務などの制度面は特に改めて整備が必要で、いろいろと手探りではありましたが、根気よく整備を進めてきて、いまようやく実装できたという感じです。
――この制度を整えるにあたって、大変だったことは?
三井:受け入れるmediba側の体制調整に苦労しました。特に労務の整備では、他社の事例を結構調べたんですけど、まだそこまで参考にできるような事例があまりなくて、想定し得る事柄を並べるのが大変でした。
ただ、肌感覚として、世間的にも複業のニーズは確実に増えていると思います。
複業のクラウドサービスや、マッチングサービスなど、そういう会社がこの1年で かなり増えてきていますね。そこにニーズがなければこんなにも増えないと思うので。厚労省も副業・兼業の普及を促進していると聞きますし、このコロナ禍でリモートワークが広がったことも追い風になっていると思います。
他社に少しだけヒアリングをしたのですが、制度はあっても実績はまだこれからという会社や業務委託契約する企業が大半でした。逆に活発に活用できてきる会社はスタートアップが多いというのも感じます。
なかなか当社の規模で複業を受け入れている、かつ直接雇用するという実績が表にあまり出てきていないので、情報収集が結構大変でしたが、逆に先駆者として実績を作っていけるかもしれないと可能性も感じました。
――複業受け入れをした後の変化への期待は?
三井:新しい風が入ってくるは、社員にもすごく刺激になるんじゃないかなと思っていて、そこを一番期待しています。
小林:今のコメントに近い話ではありますが、背景の違うメンバー同士が高め合えるというところが、会社としても一番期待しているところだと思います。
メンバーの背景が多様化するほど、働き方は当然画一的ではなくなりますので、その価値観を受け入れていく、新たなカルチャーも社内に浸透していくと思います。多様な価値観を受け入れていくインクルーシブさが求められている時代に重要なことだとも思っています。
あと、どうしても社内に目が行きがちになるので、バックグラウンドが違う人と働くことで、外部との間に健全な危機感や緊張感を持つことで自己成長も促せるといいなという期待もあります。
もちろん、会社としてもmedibaで働きたいと思ってもらえるように魅力を高めていくことが必要だと自覚しています。現在も柔軟な働き方に対応できるように制度を導入していますが、さらにブラッシュアップすべくいろいろと検討しています。
――どんな方に来てもらいたいですか?
三井:募集要項にあるスキルにマッチすることはもちろん重要なのですが、直接雇用という点も踏まえると、medibaの文化など、会社自体に興味を持っていただける方に来てほしいなと思います。
小林:そうですね。medibaの働き方でテレワークは一つの軸になっているので直接人と会う機会が減っていることも事実です。なので、オンライン・オフラインに関わらず、積極的に仕事環境を楽しんでコミュニケーションを取っていただける方にぜひ来てほしいですね。
せっかくなのでこの環境を楽しんでもらえると我々としても嬉しいです。
――最後にメッセージをお願いします!
三井:当社はKDDIグループという大きなバックボーンがあって、そこが強みだと思います。実際にやっているビジネス規模なども大きく、かなりすごいことだと個人的には思っているんです。働きやすさも魅力ですし、今回の複業人材を直接雇用するというのも先進的な事例になり得ると思うので、新しいことをどんどんやっていく会社であるということを、人事的な立場からももっと盛り上げていきたいと思っています。
複業人材という新たな仲間を迎える準備が整ったmediba。人と人が一緒に働くことは常に様々な刺激が伴い、そして成長も促します。medibaでの仕事にちょっと興味あるけど本業は辞められないという背景の方もジョインできる場が整った今、ぜひ気軽にmedibaの扉を叩いてみてください。
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