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【ホンレコ!】7冊目『銀河鉄道の夜』

mediba社員が実際に本を読んで得た“学び・気づき・感動”を、自分と同じく求めているであろう方たちへお届け。本のレコメンド、略して『ホンレコ!』。

7冊目のレコメンダーは、弊社で法務を担当する塚本です。お題の本は誰もが知る童話作品。5~6年前からたびたび読み返しているという愛書、とのことですが、困難な状況の今だからこそ伝えたい本の魅力をレコメンドに詰めてもらいました。


本日のおすすめ図書

『銀河鉄道の夜』
(著)宮沢賢治
角川文庫

こんなあなたに

  • 純粋で綺麗な小説が読みたい

  • 幻想的な世界に浸りたい

  • 自分にとっての幸せってなんだろう?と、ふと考えたことがある

レコメンダー
総務部 塚本

どんな本?

主人公の少年ジョバンニが、友人カムパネルラと銀河鉄道の旅をする物語で、宮沢賢治童話の代表作のひとつです。読む人によって様々な解釈が可能で、また、読めば読むほどに気づきがある本です。

ここがポイント!

私たちの発想の遥か上を行く、表現の美しさ

この小説に散りばめられた表現の美しさの数々が、そのまま銀河鉄道の星々の美しさを表しているかのように思える時があります。それほど、宮沢賢治の表現力は美しく、私たちにいつも新鮮な驚きと感動を与えてくれます。物語の意味や解釈はやや難解なところがありますが、まずはこの表現の美しさに浸るためだけに読んでもいいのではないでしょうか。ちなみに私のお気に入りの表現はこれです。

にわかに、車のなかが、ぱっと白く明るくなりました。見ると、もうじつに、金剛石や草の露やあらゆる立派さをあつめたような、きらびやかな銀河のかわどこの上を水は声もなくかたちもなく流れ、その流れのまん中に、ぼうっと青白く後光のさした一つの島が見えるのでした。その島の平らないただきに、立派な眼もさめるような、白い十字架がたって、それはもう凍った北極の雲で鋳たといったらいいか、すきっとした金いろの円光をいただいて、しずかに永久に立っているのでした。

銀河鉄道の旅とは、何なのか

この小説の中心となる銀河鉄道の旅ですが、結局のところ何なのでしょうか。もちろん、純粋に童話的・ファンタジー的な目線で楽しんでも良いと思いますが、一方で、銀河鉄道の旅が意味するところに目を向けて、追及していくのも楽しみの一つだと思います。そうすることで、作者である宮沢賢治が本書を通して伝えたかったことは何なのかが、少しだけ見えてくるかもしれません。

ジョバンニの気持ち、カムパネルラの気持ち

この小説を読むうえでぜひ注目していただきたいのは、銀河鉄道の旅を通して変化していくジョバンニとカムパネルラの気持ちです。彼らの思いや気持ちに目を向け、二人の目線で銀河鉄道からの車窓を眺めることで、物語を読み終えた後、心の中にはきっと「面白かった」以外の何らかの思いが浮かんでいるはずです。ぜひ、読了後に自分の心の中に残った気持ちにも目を向けてみてください。

読み終えて

言わずと知れた宮沢賢治の代表作のひとつですが、人々がコロナウィルスによって困難に直面している今だからこそ、紹介したいと思いました。本書は、単に美しさを湛えた童話的な作品である以上に、「ほんとうの幸せ」は何か?という大きなテーマと向き合うきっかけとなるものだと思います。私たちの考えや行動の是非が今まで以上に問われる今この瞬間において、自分にとって本当に大切にしたいものは何なのか、本書を通して自分自身に問いかけてみるのもよいのではないでしょうか。

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