【ホンレコ!】17冊目『働きマン』
mediba社員が実際に本を読んで得た“学び・気づき・感動”を、自分と同じく求めているであろう方たちへお届け。本のレコメンド、略して『ホンレコ!』。
17冊目のレコメンダーは、エディターの藤波。仕事ではau Webポータルのニュース編成で活躍する一方、プライベートではビリヤードをたしなみ、大会に出るほどの腕前。公私でアクティブな彼が選んだのは、アニメ化・ドラマ化もされたビジネス漫画の名著。仕事をがんばりたい方、仕事に疲れた方、はたまた仕事ってなに?な方にも手にとってほしい作品です。
本記事では漫画紹介サイト『アル』の「使えるコマ」サービスを活用させていただきます。漫画の『ホンレコ!』もお楽しみください。
本日のおすすめ図書
こんなあなたに
とにかく仕事に燃えている人、燃えたい人
多種多様な部下を率いる管理職の人
仕事や人間関係にお疲れ気味の人
どんな本?
人気漫画家・安野モヨコの代表作で、アニメ化やテレビドラマ化もされた作品。週刊誌の女性編集者である主人公・松方弘子と、個性豊かな同僚・上司がよい雑誌を作るために奮闘していく様子や、仕事への向き合い方などが熱量帯びて描かれる、すべての社会人に響く物語です。
ここがポイント!
「働くとは」を考えさせられる
まず、この作品は15年以上前のものなので、令和になった現代の働き方とは異なる部分もあるかもしれません。
しかし「よいものを作りたい」と思う社員同士が衝突したり、お互いの考えを理解できず悩んだりすることは、いまもあることですよね? もしそんな悩みを持っているなら、ぜひ読んでみてください。
以下は、とにかく自分に刺さったセリフやエピソードです。最後の「バックレ」の話なんかは遭遇したくはないけど「あるある」だなあと思います。
「あたしは仕事したなーーって思って死にたい」
「自分の仕事できないのを他人にかぶせてっから だからいつまでたってもダメなんだよ!!」
「『後悔する』ようなやり方をしてたことに激しく後悔する」
「いつだって自分にとってベストの状況が用意されてるわけじゃない」
「『自分は女捨てて頑張ってる』みたいな人苦手です」
「ものすごい差し迫った進行中、持ってた仕事投げ出してバックれてしまいました」
働く女性の姿にサラリーマンからの支持も
主人公が所属するのは、サラリーマンが主な購買層である「週刊JIDAI」(講談社「週刊現代」がモデル)の編集部。40人のうち4人しか女性がいない旧態依然とした男社会の職場が舞台です。
主人公は仕事モードに入ると、仕事のみに全集中する「働きマン」になります。その反面、オフモードではお肌の調子やデートの時間を気にしたり、リフレッシュサロンに通ったりするひとりの女性に。「闘う女」と「女性らしさ」、ふたつの姿がコミカルかつリアルに描かれ、女性だけでなく男性読者からの支持も集めました。
とにかくリアルな人物描写
「うわー、こんな人自分の周りにもいる!」と思える人物描写がときに生々しく感じられ、圧倒的なリアリティがあります。「女に嫌われるタイプの女」や「一匹狼」など、クセがすごい登場人物ばかり。
彼らの心情は主人公目線だけでなく、それぞれのキャラクターの目線からも描かれており、感情移入の引き出しが多くなっているのも作品の魅力に繋がっているのだと思います。
まとめ
仕事で行き詰ったり、悩みを抱えたりすることは誰にでもあると思います。どんなに限界ギリギリの中でも決して仕事に対する手を抜かない主人公らの矜持や仕事の流儀に、私自身「忙し過ぎて投げ出していた痛い部分を突かれた……」と感じる部分もありました。
さまざまな登場人物がそれぞれの価値観で仕事・恋愛・家族といった悩みにぶつかっていく姿にこそ、私たちの日常にある問題解決の手掛かりが隠されているような気がします。
仕事に対する関わり方や姿勢って、年齢や仕事の経験値、家庭環境の変化などによって流動的に変わるのではないでしょうか。この作品の面白い点は、読む時期やタイミングによって共感できる部分が変わってくるところかもしれません。
あとこれは完全な余談なのですが、私が15年以上前に勤めていた雑誌編集部でもこの漫画が社員共有の本棚に置かれていました。編集部員・デザイナー・営業部員から成る部署で、特に多忙で会社泊まりも多かったデザイナーたちは「バイブル」として愛読し、共感して涙を流していたようでした……。(すみません、少し盛りました)
なお、意外に感じられると思いますが、4巻で未完のまま休載となっています。 残念ですが仕方ない。再開までは、松方の代わりに私が働き続けましょうかね。
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