カギは「編集EX」の向上?“Just Create”を追求する編集部の取り組み
ものづくり、広告ビジネス、新規事業、総務、法務、人事……、medibaにはさまざまな部署があります。今回は、編集部についてご紹介。
「編集」と言っても、書籍編集、雑誌編集、漫画編集、Web編集などメディアにより業務はさまざま。medibaの編集者たちはどのような業務を、どのようなポリシーを持って取り組んでいるのでしょうか。部長と部内にある2つのグループのリーダーに話を聞きました。
編集部を構成する2つのグループ
――まず、編集部はどういう部署なんでしょう?
江村 一言で言うと、「ユーザーと最前線で対峙する、言葉を操るプロフェッショナル集団」です。担当するサービスや役割で「ニュース編集グループ」と「メディア編集グループ」に分かれています。それぞれのグループについては金行さんと原田さんから。
金行 ニュース編集グループはau Webポータル(以下、ポータル)のニュース面の編成、改善施策、特集の企画・制作など行なっています。その中でもポータルのニュース編成がメインで、さまざまな情報提供元から1日2,000本ほど入ってくる記事を、その時々で価値判断をしながら14文字の見出しをつけて掲載しています。
――メディア編集グループはどんな業務を?
原田 名前の通り、メディアの編集業務を担当するグループです。一般的にイメージする“編集者”が活躍するのはこちらですね。今のところ担当しているメディアは、Open Doctors(オープンドクターズ)とこのmedibaブログが主なものですが、ポータルの特集の企画・制作をニュース編集グループのメンバーと進めることもありますし、その他のサービスでも執筆や編集をすることもあります。
――それぞれ、どういうメンバー構成ですか?
金行 まず、ニュース等のコンテンツ品質を統括する編集長がいます。大手ポータルサイトで長年ニュース編集に携わっていたスペシャリストで、その編集長のもと、テレビ局や新聞社の元記者、書籍編集の経験者、新卒で一から学んだメンバーなど10人超で運営しています。
原田 メンバーは5人、紙・Web媒体の編集経験者とニュース編集者が横断的に活動しています。
クリエイティブな環境をつくる「編集エクスペリエンス」とは
――部として、それぞれのグループとして目指しているものはありますか?
江村 編集部としては、今期「編集エクスペリエンス(以下、編集EX)の向上」というものを掲げています。造語なんですが、我々作り手が、作り手としてのいい体験を積める環境を目指したいんですよね。例としてはこのような感じです。
――これがものづくりにどのようにつながるのでしょう?
江村 現場の体験があがると、いいものづくりができるようになる。ユーザーにもいいものが届けられて、エンゲージメントがあがり、ユーザーが何度も利用してくれて、売り上げに繋がり、結果的に事業に貢献できる。我々は営業部隊ではないですけど、作り手の体験をあげることが売り上げの貢献にもつながるというのは明確だと思っています。逆に、現場の体験が悪かったらいいものが作れなくなり、事業はシュリンクしていく、という考え方です。
江村 だから、編集EXは造語ではありますが、特殊なものではないんです。個々のメンバーが持っている内的・外的要因のそれぞれにネガティブ要素・ポジティブ要素があって、ポジ要素を増やして、ネガ要素を解決して減らしていく。そうして常にユーザーを意識した“Just Create※”な環境をつくりたいんです。
※medibaが掲げるCREDOにおける4つのValueのうちのひとつ
――どういう背景でこの考えが生まれたんですか?
江村 僕はマネージャーになる前、今のCREDOができる前から“Just Create”にはこだわりがあって、自分なりに突き詰めたいと思っていました。自分がやる意味というのは前職の記者時代から考えていて、代わりがきくことなら自分がやる意味がないと思っていました。それを普遍的な話にしていくと、個々に“Just Create”な環境があるとみんなの持っている力を最大限アウトプットできる環境になると思いました。
本当は現場でいたくてマネージャーになりたくなかったんですけどね(笑)。でも、自分がやらない代わりにそういう環境を整えてみんなにいいアウトプットを出してもらいたいなと考えるようになったんです。その環境があれば自分がやらなくていいと、そのとき気持ちを整理しました。
“Just Create”を突き詰めたい、というのが編集EXの根底にあります。
常にユーザーを意識したものづくり
――そのために各グループで取り組んでいることはありますか?
金行 実は、ニュース編集グループはすでにそうした取り組みを行っているんです。というのも、私たちはリアルタイムでアクティブユーザー数を見ながら作業していて、「この記事はユーザーに読まれたから、続報の優先度を高くしよう」、「この記事はあまり読まれないけど、伝えなければならない大事な記事だから手厚く扱おう」など、ユーザーの動きとニュースとしての価値判断を、メンバー間で常にコミュニケーションを取りながら運用しています。
最近印象的だったのは、2019年6月18日の新潟・山形地震での対応です。地震が発生した22時22分は遅番メンバーが勤務している時間帯でした。彼らがメインで対応しながら、勤務時間外にも関わらず10名近いメンバーが自主的に稼働して、 深夜遅くまで被害を受けている方、被災地に知り合いがいる方のために編成に携わってくれました。
江村 普段からそういうのは心がけていて、深夜に震度4くらいの地震でも誰かが起きて更新しているんです。深刻な災害時に信頼してきてもらえるポータルサイトにしたいというのは、金行さんや編集長を中心に日頃からやっています。今回も信頼して見にきてくれたユーザーは多かったと思います。
よりクリエイティブな集団になるために
――メディア編集グループはどうですか?
原田 とくにOpen Doctorsでは、ニュースと違ってリアルタイム性はないですが、患者さんやその家族など、ユーザーと向き合ったコンテンツづくりを行なっていますね。担当編集者はもともと医療の知識も経験も少ないないところからスタートしたんですが、医療系のセミナーに行ったり、医療編集者に話を聞きに行ったり、強い探究心と使命感を持って取り組んでいます。
ただ、各メンバーが持っている編集ノウハウの共有はこれからの課題だと感じています。編集者やライターというのは携わっているメディアによって少しずつ能力が異なります。一方で普遍的な編集ノウハウも確かに存在するはずです。それをグループ内で上手に共有して、各担当のサービスや、新しい業務の創出などにつなげていきたいです。
――どちらのグループもすでにクリエイティブな環境はあり、よりよくするための編集EXということですかね。
金行 そうですね。メンバーが常にユーザーと向き合ってニュース編成や特集の企画・制作ができるように、グループリーダーとして環境整備を続けていきます。
原田 メディア編集グループも、ナレッジの共有を進めながら、編集でmedibaのメディアをよくしていけるように取り組んでいきたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。あなたの「スキ」がmediba+編集部の励みになります!