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【ホンレコ!】11冊目『カエルの楽園』

mediba社員が実際に本を読んで得た“学び・気づき・感動”を、自分と同じく求めているであろう方たちへお届け。本のレコメンド、略して『ホンレコ!』。 

11冊目のレコメンダーは、読書やブログ、資格取得などさまざまな趣味をもつ、プロダクトオーナーの槙。選んだ本は、政治について考え直すきっかけになったそう。長年続いた政権が交代する今だからこそ、読んでほしい一冊です。


本日のおすすめ図書

『カエルの楽園』
(著)百田尚樹
新潮社

こんなあなたに

  • 映画『永遠の0』や『海賊と呼ばれた男』で感動した

  • 政治についてはあまりわからない

  • でも中国や北朝鮮など他国との外交にモヤモヤする

レコメンダー
auスマートパスチーム 槙健輔

どんな本?

「ナパージュ」というカエルの国にたどり着いたアマガエルが主人公です。ここでは「三戒」という戒律と「謝りソング」という歌で平和を維持していますが、凶暴なウシガエルに侵食されはじめ……という一見すると純ファンタジー世界の物語。しかし、読み続けるとモチーフであろう「ある国」を想起させられるはずです。

ここがポイント!

人気作家・百田尚樹がまた新ジャンルを開拓

百田尚樹といえば、映画化された『永遠の0』『海賊と呼ばれた男』など、歴史物かつ人情話のイメージがあるかと思います。しかし実は、作品ごとに作風がまったく変わるのが著者の特長です。さきほど「ある国」と書きましたが、私は「カエルの国」を通して現代日本の問題やいまの姿が見えてきました。著書内では「フィクション」とされていますが、そう見えるようにという狙いがあったのではないでしょうか。

憲法9条の是非をカエルに学ぶ?

物語中の「三戒」とは、 “カエルを信じろ、カエルと争うな、争うための力を持つな”という3つの約束のこと。なにかに似ていますよね? 

そう、日本国憲法9条で定められた「戦争の放棄、戦力の不保持、交戦権の否認」に酷似しています。作中では憲法の「け」の字も出てきませんが、日本の安全保障と結びつけるように行間を読んでいけるところも面白いです。

登場人物のモデルをつい考えちゃう

ナパージュが日本を現していると言われる理由はほかにもいくつかあって、例えばナバージュをアルファベットで書くと「NAPAJ」。ひっくり返すと「JAPAN」になります。また、登場人物である若き元老「プロメテウス」。彼はウシガエルの侵攻に対抗するため、三戒の破棄を主張します。ということは彼のモデルは……?

読みながらあれこれ考えるのもおもしろいですし、読後にインターネットで元ネタを調べると、物語や政治問題にさらに理解が深まるかもしれません。

まとめ

太平洋戦争が終わり、2020年現在で75年が経ちました。戦時を体験した世代も老年となって減り、自分も含め世間では戦争への恐怖が薄れているなと感じます。私は同じ著者の『日本国紀』も読みましたが、『カエルの楽園』と通ずるものを感じました。『日本国紀』では、戦争はこちらが起こすつもりがなくても、攻め込まれたり、起きるように仕向けられたりしてはじまることもあるのだと知りました。

平和な日常が薄氷の上に立っていると気づいたとき、政治への関心が湧きました。『カエルの楽園』はそのきっかけを「学習マンガ」のように押し付けがましくなく与えてくれた一冊でした。

著者の対談『「カエルの楽園」が地獄と化す日』、続編の『カエルの楽園2020』も、ぜひ読んでみてください。とくに『カエルの楽園2020』は「コロナ禍の日本」を思い起こさせる「新しい病気が蔓延するナパージュ」が舞台です。

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