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プレスリリースには載らない『ゲソてんbyGMO』へ『クラシックゲーム』提供の裏話

2023年4月、medibaはGMOメディアの『ゲソてんbyGMO』へ『クラシックゲーム』の提供を開始 しました。今回はその中心人物ふたりに協業の経緯や裏話を聞いてきました。また、自称“ゲームオヤジ”たちによる、業界の過去・現在、そして未来の展望についての熱い語りも必見です。


今回のメンバー 左から
齋田 友徳 株式会社mediba Chief Gaming Officer
ハドソン、スクウェア(途中からスクウェア・エニックス)、ヤフーを経て2018年から現職。KDDIグループでのゲーム関連サービスのプロデューサーやディレクターなどを担当

小山征洋 GMOメディア株式会社 サービス開発部 プロダクトチーム
ゲソてん立ち上げ当初から開発に携わり、複数タイトルの立ち上げにも関わってきた何でも屋。

金沢 隆憲 株式会社mediba ディレクター
2020年に新卒入社。auウェルネス、au占い、DailyHabitsなどのサービスを経て2022年から現職。ほか、Web3関連サービスのディレクターなども担当

谷村聡一 GMOメディア株式会社 コンテンツ事業本部 コンテンツ事業部 マネージャー
カスタマーサポート部門の責任者を経て、2年前よりジョイン。ゲソてん立ち上げ当初よりCS部門にて携わり、お客様ファーストを提唱してきた。

佐藤 真 GMOメディア株式会社 取締役 コンテンツ事業本部 本部長
2005年よりGMOインターネットグループ内のポイント事業の開発に携わり、2011年よりプラットフォームビジネスを軸としたゲーム事業を立ち上げる。

鈴木学 GMOメディア株式会社 コンテンツ事業本部 コンテンツ事業部 リーダー
ゲーム制作会社からGMOグループに転身し、WEB広告営業、WEBサイトの制作・運用を担当。2011年以降、アプリや広告収益型ゲーム関連事業を新規に立ち上げ、2018年より現職。
(敬称略)

『イージーゲーム』と『クラシックゲーム』


齋田 :まずはサービスの概要を紹介しましょうか。

金沢:まず『イージーゲーム』について。これはもともと『au Webポータル』内の1サイトで『無料ゲーム』と呼ばれているサービスでした。 当時のラインナップはハイパーカジュアルゲームだけでしたが、GMOメディア様との協業によって、フリーミアム型ゲームも導入して2022年12月1日にリニューアルをしたんです。

それから『クラシックゲーム』について。これは1980~90年代のゲームをスマホで遊べるソリューションでして、これを今回GMOメディアの『ゲソてん』で導入していただくことで、我々の『イージーゲーム』でも楽しめるようになりました

齋田:僕たちの年代には胸アツなゲームを令和の時代に復活させました。さまざまなプラットフォームにこのソリューションを提供していく第1弾として、『ゲソてん』さんでのリリースを2023年4月から開始させていただきました。

GMOメディア『ゲソてん』とは

佐藤:『ゲソてん』は2012年にスタートしたサービスで、ちょっとヘンテコな名前ですけど、これは“ゲーム&ソーシャル天国“の略なんです。

ポイントサービスを軸とした広告事業をメインに手掛けていた弊社が、無料から有料へとサービスを作っていこうという展開をきっかけに事業を開始しました。

我々は最後発でしたが、自前のコンシューマー接点を集めると当時でおよそ2,000万人くらいのユーザー基盤は持てていたんです。この基盤をベースにしたら他のプラットホームとも渡り合えるという期待と、マーケティングの観点がありました。貯めたポイントをゲームに使えるようにしたいという思いもありましたね。

齋田:フリーミアム型ゲーム(ソーシャルゲーム)は2007年頃から日本やアメリカで流行しだした分野ですよね。『ゲソてん』が始まった2012年頃はその市場が世界中に広がり、日本ではスマホ移行も相まってインターネット全般がより身近に普及してきた時期でした。

佐藤:そうですね。ガラケーではすでにマーケットが出来上がっていて絶対勝てないし、我々のユーザーは当時PCユーザーが多かったのでPCのゲームから始めました。

飲み会で出会い、10年越しで仕事仲間へ

齋田:僕と佐藤さんは『ゲソてん』が生まれた10年くらい昔に同世代の飲み会でご一緒したのが最初ですよね。その頃はまだ僕も前職のときで、仕事の話とは関係なく定期的に年数回くらいお会いして、という感じのお付き合いでした。

そして僕はゲーム市場へより貢献できるようにKDDIグループ内のゲーム事業を確立させるため2018年からmedibaに移籍しました。着任して間もない頃に、すでにお取引あるポイント事業の仲間から紹介されて、いざお会いしてみたら「佐藤さんじゃないですか~」となったわけです。

佐藤:齋田さんと再会した2018年あたりでHTML5ゲームなどのカジュアルゲームは結構話題になっていましたよね。中国で検閲的な事情もあってWeChatアプリの中でWebゲームの配信数が急激に増えた事で、各企業こぞってHTML5ゲームを出したりして、世界的にHTML5ゲームの開発が活発に行われた時期でしたね。

齋田:我々もその情勢を見て2019年頃から、『イージーゲーム』の前身である『無料ゲーム』を開始したんですが、次のフェーズとしてフリーミアム型のゲームも取り扱いたいと考えていました。

ただ、導入の方針に悩んでいたところもあり『ゲソてん』からのお誘いも保留していたんですよね。プラットフォーム運営の大変さはわかっていたものの、つぎの一歩が踏み出せず悩んでいるあいだに1~2年も過ぎてしまいました。

でも結局2021年の後半頃になって「やっぱり一緒にやらせてください!」と駆け込ませてもらいました。

佐藤:「ついに、きたーーーー!」でした(笑)。

齋田:そこから話を詰めて、集客や収益の試算、運営の体制をどうするか、それぞれの状況を共有しながら、年末には社内の承認を得て本格的に協業を実現することになったという流れですね。

『ゲソてん』というソリューションは稀有な存在

齋田:『ゲソてん』ってソリューションは本当にありがたいんです。ユーザーIDや決済の基盤があり、トラフィックが集まっている場所なので、我々はゼロからの構築を不要としてエンドユーザーにはゲームという体験や価値をできる。

さらにゲームを作るパブリッシャーやディベロッパーには利益が還元できて、通信や金融を優先せざるを得ない我々のようなプラットフォームにとっては、とても画期的な仕組みです。

ゲームのアグリゲーションも含めると本来は何年も必要なプラットフォームの構築が、短期間で導入できるというゲーム市場としても世界でも類を見ないおもしろい事例だと思います。

佐藤:決済、サポート、ゲーム自体の誘致など本当に工数がかかりますよね。我々も立ち上げ時は、小山がゲームを連携する箇所で非常に苦労してました。ゲーム会社は複数のプラットフォームに共通の規格でシステム連携するため、我々が仕様を他社様に合わせることで手間がかからず仕組みを構築できることを魅力に捉えていただけると嬉しいです。

でも、ポイント事業サイドでは当たり前にそういうソリューションがワンストップで提供されると考えていたりもするので、齋田さんたちは需要に気付きを与えてくださったので、非常にありがたかったなと思っています。

medibaゲーム事業の抱える課題と未来

齋田:ゲーム市場の未来として考えたときに、いまの形はまだ初期段階で完成系ではないと思います。これから生き残るために先行する競合他社と異なることや新しいことに挑戦しなければなりません。

そこで会社として課題に感じるのはゲーム事業に対する考え方です。いまは世界で20兆円、日本でも2兆円で音楽や映像も遥かに凌ぐ市場ですが、スマホだとかアプリだけで見ていると衰退していってしまうでしょうね。

30~40年の中でCD-ROM、ポリゴン、インターネット、スマートフォンなどと進化してきた市場ですから、ほかにパソコンやブラウザとか、一部に囚われているとゲーム市場とともに成長できるという健全な事業にはならないっていう話なのかなと。

そして、そんなゲーム市場の歴史自体を題材としたものが我々の『クラシックゲーム』ですが、じつは『ゲソてん』を参考にさせてもらってソリューションとしても提供したいと思ったのです。

『クラシックゲーム』を開始したとき、同世代のエンドユーザーのほか、国外の関係者からも反響があり、事業として確立できるという確信を強めていったのです。今後は音楽ジャンルのシティポップのように、若い世代にも何らかの形で拡がっていくかもしれません。最近も、当時は市場がなかった国々から連絡が来たり、行ったこともない国、会ったこともない人から声を掛けられるという状況に、改めて可能性を感じる昨今です。

佐藤:僕らもフリーミアム型ゲーム以外のコンテンツも扱いたいと思っていましたし、齋田さんの仰るとおり、海外ユーザーのクラシックゲームに対する熱量も見聞きしていました。『ゲソてん』にはカジュアルに遊ぶユーザーが多いので、クラシックゲームがマッチして遊んでいただける可能性もありワンセットでできてよかったなと思います。

齋田:KDDIグループとしての動きでは、medibaから2023年2月に発表したクラウドゲーミングの概念実証とか、そういう新しい分野にも引き続き挑戦しようとしています。

佐藤:質問なんですが、KDDIグループは大手キャリアの中でも、エンターテイメントに比較的力を入れているのでしょうか?

齋田:ほかの通信会社と比較したうえでの話ではありませんが、昨今は5G回線に移行しようとする中で特徴でもある大容量、多接続、低遅延が活かされるゲームやサービスに力を入れようとする動きは間違いなくあると感じます。

お陰様でKDDIグループの中でmedibaが最もゲーム市場に対し挑戦的であるという存在感が少しずつ出てきました。引き続き、まだ未発表の案件もあり、今後はゲーム実況やeスポーツ、メタバースやブロックチェーン、老若男女や世界各国、全方位に広く見聞を深め様々な要素を取り入れ、さらに挑戦したいと思っています。

未来に向け、ブロックチェーンゲームに熱視線

佐藤:我々の今後の展望を話をしますと、従来型ゲームのプレイヤーは減ってきている一方で、ブロックチェーンゲームのプレイヤーは、今後確実に増えていくだろうと見ています。その流れを汲んで、現在のクレカ中心の決済に加え、暗号資産の決済が可能になることも視野に入れていきたいと思っています。

齋田:ゲーム市場の新しい潮流ですよね。ゲームの外、つまり現実の世界で換金しやすい仕組みが始まり、Play to Earn(P2E: 遊んで儲ける)という言葉も生まれてきました。

一方で我々は遊ぶとPontaポイントが貯まるというP2Eと似た構造ゲームも提供していて、そこを市場に対する新しい挑戦の糸口にも感じています。

佐藤:国内ではブロックチェーンゲームに欠かせないNFTを利用しているのはまだ数万人と言われていますから、そこ以外でP2Eのスタイルをユーザーに提供できているというのはおもしろいですよね。

そのさきで、ポイントを稼いでいたらいつの間にかNFTを持っている、そういう世界も作れたらおもしろいですし、ゲームという切り口で新しいジャンルにも取り組んでみたいですよね。御社との協業であれば、取り組みの可能性も拡がりそうです!

最後に担当者お薦めゲーム

GMOメディア 谷村
ゲソてん『ゲゲゲの鬼太郎 〜妖怪横丁〜』
ゆっくりとなんとなく感覚的に遊ぶっていうのが好きな方にオススメ。鬼太郎もかわいく描かれていてまた明日も来たくなる、そんなゲームです。しかもポイントも貯まります。

mediba 齋田
イージーゲーム『100万人の信長の野望』
歴史全般が好きなので、とくに好きなシリーズ作品です。最近はフリーミアム、ソーシャルゲーム化された新作が後続していますが、本作はその中でも最初期で長く遊ばれているだけあり、比較的に手軽なオンライン戦国シミュレーションを楽しめるかと思います。こういうゲームも、もっと増やしたいですね。(過去に自身が関わったゲームとかも……)

mediba金沢
クラシックゲーム
『スーパーチャイニーズシリーズ』
スーパーファミコンの格闘ゲームで、絵も綺麗でしたし、現代の僕らでも遊びやすい。

『シティコネクション』
いま流行っている塗りつぶしゲームの走り?を彷彿とさせる。車や、音楽にも昔のおおらかさを感じずにはいられない。


ゲームを心から愛する気持ちがビシビシ伝わってくるお話でした。これからのゲーム市場でそれぞれが何を担っていくのかも楽しみです。


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