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デザイナーへの転身で見つけた天職。ユーザーとビジネスの架け橋として挑戦を続ける

金融関係の職場でキャリアを積んでいましたが、30代を前にして大きな転身を決意。ユーザーの気持ちに寄り添うUXデザインの世界に飛び込んだ山崎 日向子(やまざき ひなこ)は、現在medibaでUXデザイナーとして活躍しています。

 変化を恐れず新しいことに挑戦する姿勢と、ユーザー視点とビジネス視点の両方を大切にする独自のアプローチで、サービスの価値向上に貢献し続ける山崎に、キャリアチェンジの経緯や仕事への想いを聞きました。

山崎 日向子 | Hinako Yamazaki
UXデザイナー
金融関係の業務を経てUXデザインの世界へ転身し、2019年にmedibaへ中途入社。現在はPontaパス(旧auスマートパスプレミアム)を担当し、サービスの体験設計からユーザビリティ評価まで幅広く携わる。


「本当にお客様本位ですか?」という問いからの転身

——もともとは金融関係の仕事だったそうですが、UXデザイナーになったきっかけを教えてください。

最初のきっかけは部署異動があり、そこでUXの仕事に触れ、「こういう世界があるんだ」と衝撃を受けたんです。

それまでは、どちらかというとビジネス視点が強い環境で働いていたので「これって本当にお客様のためになっているのだろうか?」と疑問に思いながら仕事をすることも多くて……。

でもUXの仕事は違ったんです。ビジネス寄りの視点だけではなく、本当にお客様のことを考えてサービスをつくる。その姿勢に「すっと入れる」感覚があったんです。

山崎がユーザー調査で会話する写真

——UXの仕事に強く惹かれたのですね。

はい。2017年からUXの仕事に携わるようになり、そこから約1年間、働きながらUXデザインの学校に通うなどして、本格的に学びを深めていきました。

最初はおもにユーザビリティテスト※を担当していましたが、その過程でUXの世界の奥深さを知り、「これが自分にあっている」と確信するようになりました。そこで思い切ってmedibaへの転職を決意したんです。

※ユーザビリティテスト:実際のユーザーにサービスや製品を使用してもらい、使いやすさや課題を確認する検証方法。

発見の連続に「わくわく」する日々

——現在の仕事の中で、とくにおもしろさを感じる部分はどこでしょうか? 

「調査」が本当に好きなんです。ユーザーインタビューをしたり、ユーザビリティ評価をしたり。とくにインタビューをしている時は、アドレナリンが出ているような感覚があります。

調査をすると、「モヤモヤしたわからないところ」がどんどんクリアになっていく。その過程が好きなんだと思います。

例えば、ユーザーの属性に関する調査でいうと……、インタビューする前は本当にブラックボックスなんですが、自分で設計したインタビューを進めていくと、だんだん体系化されて、すっきりと整理されていく。その一連の流れもとても楽しいんです。

ユーザビリティ調査の様子の写真

——調査のあと、分析することもお好きなのですか?

調査後のアウトプットも好きですね。Figma※を使って資料を作成したり、調査結果をまとめたり。「いかにこの事象をわかりやすく伝えられるか」を工夫することにもやりがいを感じます。

※Figma:デザインツールの一種。チームでの共同作業がしやすく、UX/UIデザインでよく使用される。

——最近取り組まれている「MY Pontaパス」のプロジェクトについて教えてください。

『MY Pontaパス』は、『Pontaパス』のいちプロジェクトで、コミュニティサイトとしてのプラットフォーム展開を目指しています。私はそのサービス設計に関わらせていただいています。

ユーザーが記事を読んだり好きな商品に投票したりできるコミュニティサイトを目指しているのですが、プラットフォームの準備には時間がかかります。

その一方で10月には『auスマートパスプレミアム』から『Pontaパス』へリブランディングするという期限が決まっていました。

そこで、『MY Pontaパス』はHTML一枚の形でリリースし、プラットフォームが使えるまでのあいだ、疑似的な体験を提供していくというアプローチを取ることになりました。

その中で私は、ターゲットユーザーの設定から、目指す体験の設計、第一弾の企画制作まで、上流から下流まで一貫して携わりました。例えば、サービスのメインビジュアルを決める投票企画を実施したのですが、ここは企画設計から検証方法の策定まで担当させていただきました。 

——ディレクター業務も経験されたそうですね。

はい。人手が足りない状況で、画面設計書の作成や検証シートの準備、タグ管理など、普段のUX業務とは違う経験をさせていただきました。最初は本当に大変でしたが、上司のサポートもあり、なんとか乗り越えることができました。

この経験は、いまでは強みになっています。例えば、ユーザビリティテストで「ここを改善したい」と思った時に、実現のためにどれくらいの作業が必要で、どんなハードルがあるのか。より具体的に理解できるようになりました。

——UXデザイングループとしては組織体制が変わったと伺いました。 

2023年10月からUXデザインは「スタジオ体制」という新しい形に移行しています。これまでは案件ごとに提案して見積もりを出すという形でしたが、いまはスタジオに包括的な予算をいただき、より柔軟に動けるようになりました。

この変更で、KDDIとの連携がより密になり、情報も入ってくるようになって。「こういうことが必要そうですね」という気付きがあれば、すぐに調査を始められたり、提案できたりするようになりました。

とくに大きいのが、サービスの上流工程から関われるようになったこと。以前は決まったものに対してユーザビリティ評価をして、「ここを直した方がいいです」と言っても、もう変更できない……というケースも多かったんです。でもいまは最初の体験設計から入れるので、より本質的な改善ができるようになってきました。

リモートワークと両立。産休後の新しい働き方

——ハードに働かれている印象ですが、産休から復帰されたんですよね。働き方に変化はありましたか?

2021年11月から約1年半の産休・育休を取得し、2023年の春に復帰しました。ちょうどコロナ禍でリモートワークが始まり出したタイミングで休暇に入り、復帰したら働き方がだいぶ変わっていた、という感じです。

とくにmedibaは、子育て中の社員への理解が深いと感じています。復帰後は、直属の上司を筆頭に本当に理解してもらえる環境で働けています。

山崎の子どもの後ろ姿の写真

“ユーザー”と“ビジネス”の最適解を探して

——UXデザイナーとして意識されていることはありますか?

大きく変わってきたのが、ビジネス視点との向き合い方です。入社当初は「ユーザー視点」一辺倒でしたが、いまは違います。

KDDIの方とプロジェクトに取り組む機会も多いので、大企業ならではの課題や意思決定の難しさも理解できます。ですから、ユーザーの課題を見つけても「それをどう伝えたらビジネスサイドに響くのか」、「実現可能な方法は何か」をつねに考えるようになりました。

最近はとくに「スピード」と「質」のバランスを意識しています。

例えば、「2週間後に発表したい」という要望に対して、その期間でできる最善の調査方法を考える。従来のやり方を少し変えて、AIを活用したり、分析手法を工夫したり。つねに新しいアプローチを模索しています。

——今後の目標を教えてください。

「ユーザーとビジネス担当者の最高の理解者になる」こと。それがいまの目標です。

ビジネスサイドの方々も、もちろんユーザーのことを考えています。でも、実際のユーザー接点は私たちUXデザイナーの方が多い。だからこそ、その知見を効果的に共有し、より良いサービスづくりにつなげていきたい。

まさに「架け橋」的な存在として、ユーザーとビジネス、両方の視点を大切にしながら、最適な解決策を見つけていく。それが私の考えるUXデザイナーの役割です。

山崎が談笑する写真

おまけ! 山崎のちょこっとメモ

ここまで読んでいただき、ありがとうございます!
最後に山崎のことをもっと知ってもらうべく、3つ質問をしてみました。

Q:好きな食べ物は?
A:生春巻き、ガパオライス、パッタイなどエスニック料理が大好きです。

Q:おすすめの場所を教えてください。
A:定番ですが軽井沢です。毎年何回か遊びに行きます!

Q:今チャレンジしたいことは?
A:鍼灸に興味があります。育児とPC作業でガチガチに凝った背中を労わりたいです(笑)。

📝編集後記

インタビューを通じて印象的だったのは、「調査」に対する純粋な探究心と情熱。モヤモヤした状況から、少しずつ真実を明らかにしていく過程に喜びを見出す姿勢が印象的でした。

ユーザー視点とビジネス視点の両立という難しい課題に対して、過去の経験を活かしながら柔軟に対応する様子からは、キャリアチェンジを経て、より広い視野を持つUXデザイナーとして成長を遂げた姿が垣間見えました。

mediba+編集部 組橋信太朗のプロフィール画像

2017年中途入社。カレーとチャイと植物観察が好きな二児の父。「medibaのここがなんかいい」を言葉にして伝えられるようにがんばります

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