medibaのサービスを知る 〜Open Doctors編〜
medibaで働く“ヒト”についてお伝えすることの多い当ブログですが、運営する“サービス”についても紹介していきます。今回は医療情報メディアOpen Doctors(オープンドクターズ)の運営チームにお話を聞きました。
Open Doctorsとは?
medibaと横浜市立大学発ベンチャーの横浜医療研究所が共同で運営しているサービスです。横浜市立大学教授の石川義弘先生、早稲田大学特命教授の笠貫宏先生が中心となり、「医師の知恵をみんなの知恵に」をスローガンに、医師と患者のインフォメーションギャップを埋めることを目的として発足しました。
Open Doctorsの概要
病気に関する基本情報のほか、病気を診断された方に知っていただきたい、年齢別・ステージ別の症例データや治療方法を、医師がオリジナルで作成しています。そのほか、症例をもとにした医療マンガも掲載しています。
Open Doctorsの思い
羽石 乃理子(以下、羽石):病気になるまでは自分だけは健康だと思っていることが多いですよね。健康なうちに病気を知ろうと思うことは難しくて、多くの場合、ある日突然病気を告知され、何をどうしたらいいか分からなくなります。
大学病院では患者数が多いため、1人あたりの診察時間は5分程度だそうです。患者は5分では理解できないし、医師ももっと治療の話をしたい。短い診察時間で治療について相談するには、ある程度の知識を持って、質問したいことを整理しておくことが必要になります。医師からこのような診療現場で抱えるもどかしさを聞き、医師と患者の情報量の差、インフォメーションギャップを埋めるために、1年前に医師と共同で作ったサイトが、Open Doctorsです。
他の医療情報サイトとの違いは?
羽石:「症例」です。病気の種類はまだまだ他の医療サイトよりも少ないですが、Open Doctorsではカルテのイメージで、治療やその経過を読みやすく掲載しています。人の経験を自分に置き換えて考えることで、治療のイメージを得てもらいたいと考えました。
岸 弘美(以下、岸):例えば、ひと口に「胃がん」といっても、体の状態やがんの進行度合いによって治療方法は異なります。
ある日、医師から病名を告げられたとします。
「治療法にどんな選択肢があるの?」
「この先何が待ち受けているの?」
そんなときにOpen Doctorsを使ってもらえたらと思い、症例や、それをもとにしたマンガを掲載しています。マンガなら病気の知識が無くても読みやすいので、病気と診断された方はもちろんですが、健康な方にも読んでもらえるように工夫しています。
チームについて教えてください
高木 秀明(以下、高木):プロダクトマネジャー、企画、編集・ライター、UIデザイナー、エンジニア、スクラムマスターなどを含めた、9名ほどのチーム構成です。職能に関わらず、チーム全員で話し合いながら日々の改善を実施しています。
サービスを良くしようと議論を重ねる中で、意見が分かれることもありますが、根源にある思いは一緒なので、「目的は?」「ビジョンに沿っているか?」といった視点に立ち返って考えるようにしています。
間もなく1周年。この1年で最も苦労したことは?
羽石:最大の苦労は、多忙な医師とのコミュニケーションですね。全てのコンテンツに専門医の確認をいれていますが、皆さんお忙しいので、完成までにかなり時間がかかります。ただ、信頼していただけるコンテンツにこだわりたいので、そこは必要な苦労だと思っています。医師の方々にはスキマ時間や診療後、土日などを使って確認いただいており、頭が下がる思いです。
岸:編集担当としては、medibaに医療編集の専門家がいないことも大きな壁でした。医師が執筆したものを一般の人向けに分かりやすく翻訳しているつもりなのですが、制作側に十分な医療知識が無く、医師の言葉を理解するのに時間がかかりました。新しい病気を掲載するときは、今なお苦労しています。
高木:印象に残っているのは、ユーザーインタビューですね。Open Doctorsのペルソナを想定し、闘病経験のある方からたくさんお話を伺いました。実際に闘病された方の不安や苦悩は想像以上のものでしたが、ユーザーの課題を解決できるサービスとは何かを深く考え、気が引き締まる経験でした。
Open Doctors2年目のチャレンジ
藤澤 順一(以下、藤澤):この1年でPV・UUが伸びているので、コンテンツをもっと増やす予定です。病気の種類を増やすとともに、治療の情報だけでなく、その前後にあたる「予防」と「治療後」もカバーしたいです。また、難しい病気をもっと分かりやすく伝える方法や、新たな展開についても考えていきたいです。
高木:正しい医療情報をユーザーに届けるため、SEOについて日々試行錯誤しています。サービス開始当初にくらべ検索結果も改善され、ユーザー数も伸びているので、今後も継続していきたいと思っています。
岸:1年たって、やっとスタートラインに立てた気がします。知識も含めてようやく考え方の基盤ができてきたので、専門医の先生とコンテンツについて打ち合わせをする際にも、「こんな情報も必要じゃないですか?」と意見を言えるようになってきました。すでに掲載しているコンテンツも、伝わりやすさ、内容の充実という観点で随時見直し、内容をアップデートしています。
羽石:人生100年時代は、がんになる人も増えますが、治るがんも増えています。病気の知識を得て、病気との付き合い方を知ることで、病気を予防し、健康寿命の延伸につなげられるよう、今後も活動を続けていくつもりです。
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