CXOのお仕事 〜ユーザー中心カルチャーの作り方〜
mediba CXOの岡です。
私がmedibaのCXO(Chief Experience Officer)に就任したのは2018年の4月ですが、そこから今日までにどんな事をしてきたのか。皆さんの参考になればと思い、お話させていただきます。
なぜCXOになったのか?
とある有名なドラマのセリフに「事件は会議室で起こっているんじゃない!現場で起きているんだ!」というものがありますね。これとよく似たことがビジネスの世界・企業でも起こっているのです。
例えば大きな会社・大きなサービス、その意思決定をする偉い人の会議。
私も縁があり、そういった会議に参加する機会がありました。
しかし、そこで話される会話にはユーザーが登場しないのです。「このままで本当にいいのだろうか?」という思いからCXOとしてmedibaで働くことを決めました。
CXOのお仕事
これを非常に的確に表現しているなと思ったのが、最近目にしたピースオブケイク社CXO 深津さん(※)の「CXOのお仕事って?」というエントリーの一節です。
(※)深津貴之氏 piece of cake CXO、THE GUILD代表のUXデザイナー。
「まさにその通り!」と大きくうなずき、共感してしまいました。
medibaでそれをやろうと考えた場合
medibaはKDDIのサービスの企画・開発・運用もあれば、自社メディアもある。ビジネスモデルも広告ビジネス、ユーザー課金、受託開発・運用など多岐に亘ります。そうなると、一つのサービスを軸にして一点突破でユーザーをいい感じにすることはできません。
じゃあ何をするのか?
私はまず「ユーザー中心のカルチャーをインストールすること」を目標にしました。それに対して具体的に何をしてきたかを簡単にまとめていきます。
目標の変更(創るヒトをつくる)
ビジネスモデルが多岐に亘る会社のCXOの仕事で大事なことは、「サービスを創るヒトにどう行動してもらうか?」です。売上・利益ももちろん大事なのですが、ユーザーの課題を解決した結果が売上であり、利益は健康に経営していれば必ず出るものと思っております。
まずはそんな中で基礎体力を高めるべくmedibaの管掌本部では「創るヒトをつくる」を掲げて以下のような目標設定にしました。
ユーザーを知り、課題を解決してその結果を振り返り、また次の施策を検討していくという、当たり前だけど、当たり前にやることが大変だったりすることを目標化することでmedibaの基礎体力を高めていく取り組みをしております。
すでに、あるサービスでは施策実施数が想定の10倍になったりして、改めて目標って大事だなーと思っております。
ユーザーインタビューの推進
前述の通りですが、ユーザーを知ることの一つとしてユーザーインタビューの実施を各サービスで取り組んでいます。
medibaにいる十数名のUXデザイナーとそのタマゴたちがユーザーインタビューを実施して、ペルソナやカスタマージャーニーマップを作って、いままで頭の中で作ってしまっていた想像のユーザーを壊し、「本物のユーザー」をインストールしている最中です。
ハンズオンでのサービスグロース
あるサービスでは私自身もハンズオンでサービスのグロースを一緒になってやっています。
ユーザー調査からわかったニーズや課題からどう施策に落としていくかを、プロジェクトに参加して一緒になってやる事で、言葉ではなく実感としてサービスを成長させる勘どころを押さえてもらっています。
リーダーシップ開発プログラムの実施
「リーダーシップ開発って…?」と感じられましたかね。これはいわゆるマネジメント研修的なものではなく、「己を知る」プログラムになっています。自分の大事にしている価値観や意思決定・実行の特徴をワークショップ形式で、他者との対話を通じて認識していく事でより自分自身をコントロールできるようになるためのプログラムです。
社内で希望者を募ったところ30人弱が手を挙げ、己を知るために七転八倒しております。ワークショップ以外では、私が「この人最高!」と感じたビジネスマンに講演を依頼したりすることもあります。
中期経営計画の策定
medibaの経営幹部を集め1泊2日の合宿形式で中期経営計画の策定をしました。
このプログラム設計や当日のファシリテーションなどもやりましたが、ここまでで最も苦戦した仕事の一つかもしれません。ここでも合宿の中で「モノヅクリをどう発展させていくのか?」を大きな柱として議論し、中期経営計画の中でもユーザー中心なモノヅクリ人材の強化を重点領域にしています。
社員中心な移転プロジェクトのサポート
medibaは来年本社を移転します。移転にともない本社の社員にインタビューを実施。
現状の働き方の課題などから、次のオフィスのコンセプト設計を実施していくなどサービスの設計だけでなく、ユーザー(社員)中心の設計を取り入れました。
人事ポリシーの策定
medibaの人事システムを今後見直して行く上で、ベースとなるポリシーを作ることを行いました。
これも働くとは何か?報酬とは何か?といったたくさんの軸に対して、ワークショップ形式で1つ1つを言語化できるレベルまで持っていくことで、本ポリシーの策定メンバーが自分の言葉で、人事ポリシーを語れるようにファシリテーションをしていきました。
これからやりたいこと
CXO初年度は会社の仕組みをデザインしていく事にかなり時間を使っていきました。
次は、働く仲間が個人のレベルアップを通じてサービスを成長させること。そして新規サービスを仲間と作っていくことを、私も伴走しながらやっていきたいと思っております。
具体的にはこんなことです。
社員間で学びを共有していくための仕組み
レビューをカルチャーに!クリティカルシンキングトレーニング
複雑な問題に立ち向かうための思考力を鍛えるトレーニング
継続的なサービス改善が行われる体制作り
新規サービスの立ち上げを再現性ある形で作る
まだまだやりたいことはたくさんありますが、来年はmedibaがCXOのいる面白い会社だと皆さまに思ってもらえるように、「結果」を出していく年にしたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。あなたの「スキ」がmediba+編集部の励みになります!