提案力向上!オンラインセミナー「ビジネスとデザインの良い関係づくり」を開催しました【mediba Designers #09】
medibaのデザイナーたちが、取り組みや知見を月イチで発信していく連載企画「mediba Designers」。
第9回はUIデザイナーの高柳 亜矢(たかやなぎ あや)が2020年の12月に開催したオンラインセミナーの様子を紹介します。いままさにmedibaのデザイナーたちの課題となっている提案力を向上するため、外部から講師を招いたセミナーでどんな学びがあったのでしょう。
▼その他の「medibaDesigners」はこちら
セミナー企画の経緯
こんにちは。UIデザイナー兼マネージャーの高柳です。
2020年12月15日、medibaのVRカフェスペースにて、オンラインセミナー「ビジネスとデザインの良い関係づくり」を実施しました。
デザイナーが仕事をしていると「デザイン提案してもうまく伝わらない」「自分の考えや意志が相手に伝わらない」という壁にぶつかることが多いと思います。medibaデザイナーも、ここで苦労している人が多いイメージでした。
その状態を解決するために、今回は元営業出身でデザインマネージャーであるスポーツナビ株式会社の小林 靖大(こばやし やすひろ)氏をお招きし、前半30分を講義、後半30分を質疑応答という形式でセミナーを実施しました。
デザイン提案には人間中心設計プロセスが有効?
前半は、小林氏の実体験に基づいた事例を交えながら、「ビジネスとデザインの良い関係」についての講義。
30分の講義のために70ページのスライドを用意したそう。意気込みを感じ、どんなお話が聞けるのかとワクワクしながら始まりました。
ところが、講義が始まってすぐに衝撃を受けることに……。
自分の考えや意志を相手に伝えるためには、コミュニケーションが大事!と思っていたのですが、小林氏によると「自分の考えを理解してもらうのは難しい、どんなに頑張っても一生分かり合えない可能性もある」とのこと。
では、私たちはどうすればいいのでしょうか?
❌相手に自分の考えを伝え理解してもらう
⭕相手の気持ちを自分が理解する
「相手は自分のことを理解してくれない」という前提でスタートする必要があるとのことでした。
そして、相手の土俵で”相手の気持ち”になりきって、相手が何を期待しているか考える。
あれ?これはもしかして「ユーザー調査」に似ている!
実はデザイナーが身近に取り組んでいるHCD(人間中心設計)プロセスや手法などを利用しながら、相手の心理を探ってみることが効果的なのだそう。
そして、明日から実践できる「コミュニケーションの準備とメッセージの基本型」について、ロジカルシンキングに基づいた事例や著名デザイナーの名言などを織り交ぜながらお話いただきました。
質疑応答で具体的な問題解決へ
後半は、デザイナーの日々の悩みに答えていただく質疑応答・パネルディスカッション。
最初は大人しく始まった質疑応答でしたが、質問が進んでいくうちに時間をオーバーするほど白熱した議論が行われました!
印象的なものをいくつか抜粋して紹介します。
質問1:進め方が決まっていない状態で、UXデザイナーの役割がなんでも屋になってしまう。特に目上の人を巻き込んた承認や納得してもらうための返し方がわかりません。
――小林氏の回答:なんでも屋になって良い。いろんな手法があり、それを知っているのがデザイナーです。納得してもらうためには相手が「どういうことに喜んでくれるか」をしっかり考えましょう。
質問2:クライアントへのUIUX提案で他社デザイナーは提案資料をどこまでつくり込んでいますか?
――小林氏の回答:相手に合わせて出すものを変えています。初めて会う方やデザイナー以外の方には資料をつくり込んで、ときには映像を使ったエモーショナルなプレゼンを行うこともあります。
質問3:締め切りが決まった段階でぼんやりやりたいことを伝えられて、計画し直す時間がない……。そういった場合に進めやすい仕事のフレームワークありますか?
――小林氏の回答:そもそもゴール設定はできてますか? ゴール設定ができてないとスタートもできないです。
また、セミナー後にも会話する機会を設けましたが、その中でも具体事例を交えた話があったようで、参加メンバーからはとても参考になったと好評でした。
最後に
デザイナーなら誰しもぶつかる課題の話題が多く、共感しっぱなしの1時間でしたが、「あるある……」とうなずくだけでなく、受け身になりがちなデザイナーの背中を押してくれるような、明日から実践できるノウハウがたくさん詰まった内容でした。
個人的には冒頭の「相手は自分のことを理解してくれない」という言葉がとても刺さり、改めてロジカルシンキングの大事さを痛感しました。
今後もデザイナーの課題解決できるようなセミナーをどんどん開催していきたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。あなたの「スキ」がmediba+編集部の励みになります!