KDDIから出向。メンバーとの関係づくりで意識する「見る」と「聞く」とは【PdMをもっと知るvol.3】
medibaにおけるプロダクトマネージャー・PdMを掘り下げる連載企画「PdMをもっと知る」。各プロダクトのPdMがその仕事にどう向き合い、アプローチしているのかをじっくり聞いていきます。
第3回の話し手は、『5Gエンターテインメント』プロダクトのPdM・野村。KDDIから出向し、現在はmedibaで奔走している彼に話を聞きました。
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“柔軟”な姿勢で挑むプロダクト
——まずは、担当プロダクトについて教えてください。
『5Gエンターテインメント』は、その名のとおり5G(第5世代移動通信システム)を駆使した新しいコンテンツを作っていくプロダクトです。クライアントであるKDDIと連携し、お互いのアセット(知識、スキルなどの資産)を活用してユーザーに新しいエンタメ体験を届けることをミッションとしています。
※『auスマートパスプレミアム』での配信期間は2021年12月20日まで。
現在は、おもに『auスマートパス』5Gコンテンツ配信の業務をおこなっていますが、めざすのはmedibaでの自主事業化。会社の柱となる事業にしていきたいです。
——PdMとしては、どんな業務をしていますか?
案件を実際に進めているのは個々のメンバーたちです。私は案件がより良くなるよう、自分の立場から意見を出すことや、POやDirといったまとめ役のお手伝いをしています。
このプロダクトは、“5G×エンターテインメント”という抽象的なお題に対する解をつねに試行錯誤しているので、medibaの明確な役割はまだ定まっていません。
その分“柔軟さ”を大切にしています。いまから型を決めてしまうと、そこから抜け出せなくなってしまうじゃないですか。なにか仕事のタネがありそうなら「とりあえずやってみる」というスタンスでいますね。
直接会えないいま。メンバーを理解するための「見る」「聞く」
——PdMをやっていて大変なことはありますか?
あまり思い浮かばないんですよね……(笑)。しいて言うなら、関わるメンバーが多いので、それぞれの状態・状況を把握することでしょうか。
私がPdMになって(2020年4月)からはずっとテレワークで。メンバーの人となりや考え方、現状などを把握するのが難しい環境です。
そんななかで意識的にしているのは「見る」ことと「聞く」こと。
たとえばSlackで「〇〇をやります」という投稿を見たら、「なんでこうなったの?」と、結論に至るまでのプロセスを聞くようにしています。いろんな選択肢から選んだ人や、1つしか思いつかなかった人など、パターンは十人十色。
メンバーの発信を「見つけて」、それについて「聞く」ことで、ひとりひとりのことが理解できるようになってきました。
——全社会で発表していた今期の目標では、メンバーについて「個人の役割・目標を明確にする」とありましたね。
業務の型がないゆえ、前期まではメンバーに「自分の役割はなに?」という戸惑いを生んでしまっていたなと反省したんです。
人によって、0から1を生み出すのが得意な人もいれば、1を10に伸ばすのが得意な人もいる。そのなかには、「これをやる」と決まったことに対して中身を具体化していく1から8や、できあがったものをユーザーに届けるために整えていく8から10が得意な人もいます。
でも去年は多くの人に0から1の作業を求めていて……、役割分担を明確にできなかったのが反省点でした。
なので、今年はメンバーとのコミュニケーションをより丁寧にしていくつもりです。それぞれの得意や適性を見極めて、期待することを伝えるようにしています。
PdMとして大切なのは“意思”と“意志”
——野村さんがPdMとして大切にしていることはありますか?
“意思”と“意志”ですね。とにかく決めることの連続なので。
結論を出すときには、他の案やリスク、想定外が起きた場合の策など、多面的に検討できているかどうかを確認しています。1つの方向だけではなく、いろんな方向から考えると成功に近づくこともあるので、そこはおもしろさもありますね。
——“多面的な検討”って、経験がないと難しそうですね……。
経験もあると思います。失敗も成功もどれだけ味わってきたか、ですかね。
私は小さなころから子ども扱いされず、習いごとも、宿題も、進路も「自分で考えて決めなさい」と言われて育ってきたので、その影響もあると思っています。当時は不安でしたが……(笑)。
ただ仕事には100点の正解はないと思うので、ある程度気楽な心持ちでやっていますよ(笑)。
私が思ういちばんの悪手は「判断できず立ち止まる」こと。どんな結果でも良いから前に進めば、次につながる経験ができますよね。私は動いた人のほうがえらいと思っています。
medibaにはない視点や経験も活用
——野村さんはKDDIからの出向という立場ですが、それゆえに意識していることはありますか?
あまり特別なことは意識していません。いまのポジションで最大限貢献することを考えているので「medibaにとっての最善を尽くす」という気持ちでいます。
medibaには、頭だけでなく手をよく動かす人が多く、これは私だけでなくKDDIからもリスペクトされる点かなと。
とはいえ、medibaだけで動くより、KDDIグループのアセットを活用したほうが可能性は拡がると思っているので、“KDDIグループ連携”は意識していますね。
——ご自身のmedibaでの役割はどんなものであると考えていますか?
「KDDIを知っている」人間としての視点や経験は活用してもらいたいですね。
クライアントとしてのKDDIはどういう会社なのか、要望の背景にはなにがあるのか、なにを期待しているのか、などは伝えるようにしています。
——最後に、野村さんの考えるPdM向きな人ってどんな人でしょうか。
プロダクトにおいて1人でできることには限界があります。規模を大きくするには、いろんな人とコミュニケーションをとらなくてはいけない。なので、どんな形であれ、人とうまく関われる人がいいんじゃないかなと思いますね。
ただ、どんな人にも可能性はあると思います。
たとえば学校の先生でも、部活の部長でも、決まったタイプばかりではなかったですよね。強烈なリーダーシップを持つ人もいれば、みんなの意見を聞き出してまとめるのがうまい人もいる。どんなタイプの人がいてもいいんじゃないでしょうか。
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