【9月は防災月間】防災の社内スペシャリストに聞いた「オフィスで災害!どうする?」
9月は防災月間。みなさん、もしオフィスにいるときに災害に遭ったら……どうすれば良いかわかりますか? 自宅の防災はバッチリでも、意外と知らないオフィスの防災。いつ何が起こるかわからない昨今、自社の避難経路や備蓄品について把握しておくのは大切です。
今回は、防火・防災管理資格を持つmediba社員にオフィス防災のアレコレを聞いてみました。企業としても個人としても参考にできる部分ばかりなので、ぜひ9月が終わる前に防災について見直しましょう。
今回話を聞いたのは……
オフィス防災の頼れる存在
――濱田さんがお持ちの「防火・防災管理資格」とはどのようなものですか?
会社には、火災や地震などの災害による被害を軽減するため消防計画を作成し、防火・防災に関わる業務を計画的に行う責任者が必ずいます。medibaの場合も「防火・防災管理者」として1人選任しなくてはならず、その管理者になるのに必要な資格ですね。
2日間の講習では、消防法や消防計画、過去の火災事例からの教訓、また実習において防災設備の使い方や仕組み、応急手当の方法などを学びます。
――オフィスの防災に関して頼れる存在ですね。
はい、そうなんです。いまmedibaで資格を持っているのは4名ほど。取得後は協議会や自衛消防訓練へ参加し、そこで知った事故事例を注意喚起として社内で周知することもあります。
とくにいま出社人数が減り、何かあったときに誘導できる人が常に会社にいるわけではない状態。社員ひとりひとりの防災意識を高めてもらうのも大事な役割のひとつですね。
オフィスで災害……どうする?
――では、出社時にオフィスで災害があった場合、私たちはどうしたらいいんでしょう?
最初に覚えておいてほしいのが、“自分が誘導してもらう側とは限らない”ということです。
――えっ、てっきりそうだと……。
medibaを例に取り、実際に行うべき流れを説明しますね。たとえば、自社で火災が発生したとしましょう。
最初に結成する地区隊は、この場における自衛消防活動を行うチームのこと。そのとき出社している人の中で編成しなければいけません。先ほども言った通り、いまは私たち防火・防災管理者が常にいるわけではないので、みなさんが一員になる可能性も十分にあるんです。
――うわあ、自分にできるか不安です。
急に任されると焦ってしまいますが、「自分が先頭に立つことになるかも」という心構えを持つことが重要。知っているのと知らないのでは、気持ちも全然違うはずです。
――いまのうちに知ることができてよかったです。避難時に気をつけることはありますか?
オフィスビルの場合、高層階から地上まで非常階段を使って降りることになると思います。medibaの場合は39階から外に続く4階まで、35階分。体力的な負担は相当なものです。
私も実際に訓練で30階分くらいの階段を降りたことがありますが、もう一歩も歩けない、というほど疲弊しました。一度経験してみると「ヒールでは無理だ」とか「動きやすい服装が良いな」とか色々と発見があると思いますね。
――なるほど。そうしたら履きやすい靴をオフィスに置いておく、などの対策もできそうです。
それも良いですね。あと、じつは体力だけでなく精神的なダメージも大きくて。非常階段は密閉された空間で、しかも災害の最中という不安感もあります。声を掛けて励まし合うことが必要になってきそうですね。
――他にも、地震で帰宅困難となることもありますよね。オフィスで過ごさなくてはいけないとなると……。
medibaでは、そういった場合に備えてオフィスに非常用品を備蓄しています。お水にアルファ米、非常用トイレやマスク……一通り揃っていますね。
東京都の条例では「従業者の3日分の食糧等の備蓄」を企業の努力義務として定めているんです。いまのmedibaオフィスだと100名入ることを想定しているので、100名×3日分は確保してあります。
――こんなに充実しているなんて知らなかったです。
期限がある食品については、自分たちでの管理はもちろん、メーカーからアラートが来る設定もしています。クラウドサービスやアプリなんかでも期限を知らせてくれるツールがあるので、自宅の備蓄管理にも活用すると良いんじゃないでしょうか。
――最後に、普段から心がけておいたほうが良いことはありますか?
やはり、こういう機会に災害時の想定をして、何がどこにあるのか、どんな行動が必要かを把握しておくのは大切ですね。
私も防災について学んだことで、出先で消化器やAEDの場所を確認するクセが付きました。いざというときに自分が動ければ、誰かを救うことになるかもしれない。そんな意識を持って、身の回りのことから知っていくのが良いと思います。
普段はなかなか意識しない防災のコト。「自分は大丈夫」「誰かがやってくれる」と思わず、まずは知識をつけて、そこから行動していきましょう。筆者も手始めに、オフィスの非常階段を使って35階分を降りてみようと思います……!
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