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法務担当者に聞く仕事の魅力。目指すは「ベストな法務部門」

契約書の作成や社内規程の整備など、必要な場面は多々あるものの、専門性の高さゆえ多くの社員が「むずかしい」というイメージを持ちがちな「法務」の仕事。

2018年にmedibaに中途入社し、法務担当として活躍する塚本 健人(つかもと けんと)に、法務の魅力ややりがいを感じた仕事、チームとして目指す姿について聞きました。

塚本 健人 | Tsukamoto Kento
法務
2018年mediba中途入社。コーポレート本部総務部 法務・購買グループに所属し、法務を中心に購買、総務を担当。「コーポレートガバナンス」と「コンプライアンス」の領域において、法令や社内ルール、稟議など会社の意思決定やリスクが存在する場面で法務として専門的な業務を行う。現在はグループリーダーとして組織づくりにも注力している。


契約書に感じる「美しさ」

——法務は法律や社内のルールに関する業務を一手に担っているかと思います。なぜ法務というお仕事を選んだのですか?

法学部で法律関係のことを勉強していたからですね。法学部への入学自体も、世の中のルールや法律に関することを学んで身につけておくと将来役立つかな、くらいの軽い気持ちでした。

仕事選びのきっかけとして些細なことだったのですが、実際に法務の仕事に携わっていく中でおもしろみを感じて、あれよあれよという間に現在に至っています。

——medibaには2018年に中途採用での入社ということなので、仕事におもしろさを見出したのは前職での経験でしょうか?

そうですね。前職はソフトウェアの開発を行う会社の法務担当でした。業務委託契約やライセンス契約を始めとして契約法務を主に担っていましたが、その中で契約書を確認したり、時には特許の出願や調査など知的財産権に関する業務も行ったりする中で法務の仕事のおもしろさを感じるところがありました。

塚本 健人が働く様子の写真

——具体的に、どのようなところに魅力を感じるのでしょう?

ひとつは「無駄がない」ことですかね。

法律や契約書は、一見、難解で冗長な表現が並んでいるように見えるのですが、実際は必要なことだけを無駄なく書き記したものです。例えば取引先との契約書であれば、取引内容が適切に反映されているか、法律を守れているかなどが重要なポイントになります。

私たちは、それをいかに無駄なく的確に記述できるか、という観点にこだわって契約書をつくります。美しい数式のように無駄のないソリッドな契約が出来上がったときは、なんとも言えない達成感があるものですし、そうした契約書が本当に実用的で意味のある契約書だと考えています。

それ以外に「会社の事業にも貢献できる」ということも法務のおもしろさだと思います。

契約書の作成やルールを定めることは事業のリスク回避に役立ちますが、その役割にとどまらず、「プラスアルファの提案ができないか?」ということは、法務購買グループ全員で心掛けています。そうした活動を続けることで、少しでも事業推進につながると良いなと思っています。

また、契約業務以外のところでもそれは同様で、事業や会社運営に貢献することを意識しています。例えば最近では、知的財産に関する法律に基づいて社内のルールを整備することで、社員からの特許出願の機会創出につなげる施策を試みたという事例もありました。

間接的にでも事業に関与したり貢献できるというのは、法務という仕事のやりがいのひとつだと思います。

——なるほど。その中で転職しようと思ったきっかけや、medibaを選んだ理由を教えてください。

転職を考えたのは、法務としてより専門性を高めたいと思ったからです。

前職も法務部門でしたが、役割が限定的なものでした。法務としてより一層スキルアップをしたいと考えていて、規模の大きいサービスを扱っているmedibaなら、法務として関われる領域が大きくなりそうだと思ってmedibaの採用に応募しました。

個人もチームも成長を続ける

——medibaに入社して、仕事の幅は広がりましたか?

そうですね。まず、medibaは『auスマートパス』の運営を行っていたり、メタバースのプロジェクト推進をしたりと事業の規模や種類がさまざまで、それぞれの領域にまつわる法律や契約に対応するので、幅は広がったと思います。

——新しい知識のインプットが大変そうですね。

大変ではありますが、座学だけで終わることなく実践経験も積めるいい機会だと思って、積極的に学ぶようにしています。

それに、medibaは部門間の連携がしっかりとしていて、契約書ひとつとっても事業部を始めとした関係部門の方とコミュニケーションを取りながら進められるので、前向きに取り組めている要因かもしれません。

——medibaで印象に残っている業務はありますか?

3つあって、ひとつめは「法務のDX化」。電子契約や契約書データベースの導入など、時代に合わせた業務改善を行ったことですかね。

きっかけはコロナ禍で、押印をどうするかという問題への早急な対応が必要になったことでした。それまでは私ひとりだった法務部門に新しくメンバーが加わってチーム制になり、数ヶ月で電子契約の導入を完了することができました。

結果的に、KDDIグループの中でも動きが早かったようで、他のグループ会社に事例を紹介する機会が得られるなど、社外にもいい影響を与えることができた実感がある、という意味で印象に残っています。

塚本 健人が働く様子の写真

ふたつめは、「知的財産権に関する活動の推進」です。知的財産権に関する業務というのは、サービス名称に関する権利(商標権)やサービスの中での新しい仕組みに対する特許権の出願・取得についてなどで、これらも法務の重要な業務のひとつです。

知的財産権の動きは、「この権利を取りたいから調査してほしい」や「このシステムについて特許を出願してほしい」など、事業部からの依頼を受けて動くケースが多いのですが、近年ではそうしたところで満足せず、こちらから「知財活動方針」を策定し、能動的にアクションを起こすことができました。これは主に、チームメンバーの活躍によるところが大きいです。

事業を推進する上で、他社の権利を侵害しないことや自社の事業の権利を守ることなど、知的財産の保護はとても重要です。そのためには社内の仕組みづくりが大事で、受け身になるだけでなく活動方針を策定し、計画的に動いていくことが大切だと考えています。

また、社員のみなさんに知的財産権の重要性を説明するような活動もスタートし、eラーニングにより知識をつける場の提供を始めつつ、スムーズに相談できる環境整備も進めています。今も真っ最中です。

——ここまでで何か変化はありましたか?

新規サービスにおいて、社員の方から特許の出願依頼が1件ありました。少しずつ基礎知識が社内に浸透しているのを感じますね。

——印象に残った業務、3つめは何でしょう?

「購買のチーム化とナレッジの蓄積」です。

発注や検収など購買に関する業務は、お金の出入り口の門番としてガバナンス上とても重要な役割を担っています。ただ、業務の性質上、属人化しやすい傾向にあるという課題がありました。

法令(下請法)に違反していないか、会社のお金が適切に使われているか、取引の正当性を証明する資料(証憑)はしっかり揃っているか、など日々チェックするものをナレッジとして明文化し、共有することでチームとして取り組める体制を整えました。

チームメンバーが推進してくれたのですが、ここ数年での大きな成果だと感じています。

そのほかにも、不正防止ガバナンスや稟議残高管理の運用構築の体制化も実現し、KDDIグループの中でも高いレベルのガバナンス活動を行うチームになったと実感しています。

「ベストな法務部門」を目指して

——今後も法務のエキスパートとして活躍されるかと思いますが、今後挑戦してみたいことや目標はありますか?

まずは、労務やインボイス対応など各部門が専門に行っている領域は、各部門の皆さんに頼っている部分があるので、それらの領域にももう少し貢献できるような、網羅的に対応できる体制をつくっていきたいです。

といっても私ひとりですべてを担うことはできません。私個人もスキルを磨きながら、リーダーとしてメンバーひとりひとりが能力を活かせるチームづくりをしていきたいと思っています。

その先で、「KDDIグループでもっとも価値ある法務部門ですね」と言われる会社にしていきたい、というのが目標ですね。

——「もっとも価値のある法務部門」の具体的なイメージを教えてください。

例えば、フットワークが軽いとかチーム内の連携が取れているとか、まずはどんなことでもいいので一番と言えるような強みを持てるといいなと思っています。それぞれのメンバーが自分たちの業務とそのクオリティに自信を持っている、そこから「ベストな法務部門」を目指していきたいです。

塚本 健人が働く様子の写真

おまけ! 塚本のちょこっとメモ

ここまで読んでいただき、ありがとうございます!
最後に塚本のことをもっと知ってもらうべく、さらに3つ質問をしてみました。

Q1:最近買ってよかったものを教えてください。
A:ニトリの冷感素材寝具「Nクール」です。就寝時以外でもリフレッシュしたいときに横になるとひんやりと心地良くて、この夏は重宝しました。

Q2:好きな食べ物は何ですか。
A:フライドポテトです。見かけるとつい食べたくなって、喫茶店やカフェなどいろんなお店のものを食べました。でもやっぱりマクドナルドが一番ですね(笑)。病みつきです。

Q3:好きな映画を教えてください。
A:古い映画ですが「アダムスファミリー」が好きです。明るいだけが人生じゃないことをコメディタッチで描いている名作です。2作ありますが、どちらもおもしろいですよ。

📝編集後記

「契約書は美しい」。
これまで法務という仕事に実直に向き合ってきたからこそ感じること、出てくる言葉だと思いました。自分にもその美しさを感じることができるだろうか……。これからはそんなことも考えながら契約書を見てみます。



medibaプラス編集部組橋信太朗

2017年中途入社。カレーとチャイと植物観察が好きな二児の父。「medibaのここがなんかいい」を言葉にして伝えられるようにがんばります

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