データ分析は事業に何をもたらすのか?エンジニアが統計学を学ぶわけ
medibaではどんな仕事ができるの?
外からは見えにくいですが、実は多種多様なmedibaのお仕事について、実際に社内で活躍・奮闘する社員を通じてご紹介します。
今回は、フロントエンドエンジニアの苅部。
サービスや事業の成長によりコミットしたいという思いから、統計学を学びながらエンジニアとしてのスキルを高めて活躍しています。なぜ統計学が必要だったのか。エンジニアとしてもアナリストとしても成長を続ける苅部に思いを語ってもらいました。
エンジニアとしての価値を高めるために新しいものを取り入れる
――これまで、medibaの主要サービスのフロントエンドを担当してきた苅部さんですが、一度medibaを離れた時期があったんですよね?
苅部:2011年まで在籍していましたが、一度転職して、2015年にmedibaに戻ってきました。
――なぜ一度辞めたんですか?
苅部:プログラミングの経験を積みたかったんです。当時は、マークアップエンジニアとして働いていたんですが、エンジニアとしての価値を高めるにはもっと領域を広げた方がいいと思って、プログラミングの必要性を感じていました。そのために当時の社内より他社の方が成長する環境に適していると思ったので、そこで4年程経験を積んで、medibaに戻ってきました。
――改めてmedibaを選んだ理由はなんですか?
苅部:やっぱりサービスの規模感ですね。サービス改善のインパクトを考えた時に、規模が大きい方がやりがいがあると思っています。
――medibaに戻ってからはどんな業務に携わってきたんですか?
苅部:medibaの主要サービスのフロントエンドの運用や改善を担当してきました。エンジニアとして手を動かしながら、同時に当時流行っていたグロースハックを取り入れて、データ分析の方面も積極的にやるようになりました。実際に、アクセス解析がレコメンドエンジンの導入に役立ちましたし、ABテストの実施がサービスのKPI向上にも繋がりました。 効果を目の当たりにしているとやっぱり興味がわいてきますよね。データ分析のことをいろいろと自分で勉強するようになって、今はデータ分析の質をより高くするために統計学を学んでいます。
▼統計学を学び始めたときに関心を強めるきっかけのひとつとなった書籍
統計学はどのように活かせる?
――統計学ってどういうものなんですか?
苅部:たとえば、統計学の基礎にある記述統計では、集めたデータのバラつき……、どんなデータにもバラつきがあるんですが、その中にある傾向や性質を知ることができます。データが重要視される時代ですが、データには必ず誤差があります。それを前提に考えることでエビデンスのレベルを少しでも高めることができるんです。
――なんとなくイメージはできるような、できないような……。実際の業務にどう活かすんですか?
苅部:記述統計を理解することで、平均値、中央値、標準偏差といった基礎統計量を意識できるようになります。たとえば課金額という指標を考えるときにARPPU(平均)だけでなく、バラつきに左右されない中央値も検討することができます。また推測統計であれば、得られた標本集団の課金率だけでなく、母集団の課金率を信頼区間付きで推測することができます。結果としてエビデンスのレベルを高めることに繋がると考えています。
また、統計的検定はA/Bテストに繋がっていきます。検定は因果を推論する(施策を評価する)という意味でも大事な考え方です。導入の一例はCreator × Engineer Blogでも紹介しました。
なぜ学び続けるのか
――統計学は独学で身につけたのですか?
苅部:覚えることが多く独学では間に合わないので、データサイエンティスト協会主催のセミナーに行ったり、今は「すうがくぶんか」というところに通って高校数学から学んだりしています。
――勉強はどれくらいまで続けるのですか?
苅部:学ぶこと自体が目的ではなく、あくまでサービスや事業に役立てるためのものなので、統計検定で言えば推測統計や仮説検定を考えると2級レベルがまずは必要だと考えています。ただ、勉強自体には終わりがないと思います。
――成果というのは?
苅部:サービスのKPI改善や意思決定の質の向上ですね。仮説を立て、仮説が本当に正しいかどうか、データを使って検証する。それは事業の意思決定にも役立つはずなので、それらにつながる取り組みをしていきたいですね。
――そして、エンジニアとしての価値も高めると。
苅部:そうですね。エンジニアとしての価値を高めることが、結果的に社内でもバリューを出し、ユーザーにも価値あるものを提供できると思うので、これからも外に目を向けて知識やスキルを身につけながら、ひとりのエンジニアとしての価値を高めていきたいです。
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