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【ホンレコ!】15冊目『ユニバーサルデザインの教科書 第3版』

mediba社員が実際に本を読んで得た“学び・気づき・感動”を、自分と同じく求めているであろう方たちへお届け。本のレコメンド、略して『ホンレコ!』。

15冊目のレコメンダーは、弊社CXOの藤原。管掌のセンター長を兼務し、プライベートでは運動(格闘技!)や学習を欠かさない文武両道な彼が選んだのは、「ユニバーサルデザイン」の参考書。デザイナーだけではなく、ものづくりに関わるすべての人に読んでもらいたい一冊です。


本日のおすすめ図書

『ユニバーサルデザインの教科書 第3版』
(監修)中川聰
(編集)日経デザイン

こんなあなたに

  • プロダクトに関わるすべての人

  • 新しいデザイントレンドを知りたい人

  • ユニバーサルデザインの導入に悩んでいる人

レコメンダー
CXO / VPoC 藤原亮

どんな本?

「ユニバーサルデザイン」と聞くと、あまり馴染みがない言葉かもしれませんが、「誰でももちやすいペットボトルの形状」「ベビーカーや車椅子でも通りやすい、ひとつだけ幅の広い駅の改札口」など、私たちの身近なところにユニバーサルデザインは存在します。

本作は、その開発理論や評価法をつくり、広く企業の製品企画やデザイン開発に携わっていた中川聰氏による定番の入門書籍となります。

ここがポイント!

そもそもユニバーサルデザインとは

ユニバーサルデザインとは、文化・言語・国籍や年齢・性別・能力などに関わらず、できるだけ多くの人が利用できることを目指した、建築・製品・情報などの設計や、それを実現するためのプロセスのことです。

「できるだけ多くの人が利用可能にすること」が基本コンセプトであり、対象を障害者や高齢者に限定していない点が「バリアフリー」とは違う点です。

【基礎編】すべて観察から始まり、実験することが大事

著者は、身近なものを観察するところからはじめることを薦めています。

例えば胃薬のパッケージやビンの開け方で考えてみましょう。

ユーザーを観察し、使いにくそうにしている場面や、快適に使っている場面を見つけます。そして、それが「なぜできないのか?」「なぜ快適そうなのか?」といった"気づき"を得ることが大切になるのです。

この"気づき"を得る観察力が身につくと、その事業の背景であるユーザーの文脈を読み取ることができるようになります。事業を客観視できるところまで観察を繰り返し、実践で磨いていくことが必要です。

さらに気づき"を深化させるためには、再検証と実験も大事です。

観察によって得た気づき"を自分で実験してみることで、次への考察が明らかになります。

何から始めるか迷ったら、まずは身近にあるプロダクトを「観察し、実験し、記録を振り返る」ところからはじめてみると学びを得られると思います。

【実践編】ユニバーサルデザインの7原則と評価

ユニバーサルの考え方は、自身も障害をもつ建築家・工業デザイナーである、米国ノースカロライナ州立大学のロナルド・メイス博士らよって提唱されました。

本書では、明文化された「ユニバーサルデザインの7原則」を説明し、実際のプロダクト事例に当てはめながら評価方法について紹介しています。

まずは身近なサービスや、担当プロダクトをこれら原則にひとつずつ当てはめて評価、比較してみると、ユニバーサルデザインの基本が理解できるようになります。体得には、実践的経験による知識が大事であると語られています。

【応用編】実際のサービスデザイン、プロセス導入に向けて

ユニバーサルデザインは、すべてのプロセス、職種、企業ブランドに関わってくるものです。

カスタマイズ、職種ごとの関わり方、プロセス、UD評価、ブランド、自分で試してみる、ユーザーと一緒にデザインする方法などについて紹介されています。これはUXデザインや人間中心設計の基本理念ともなっている考え方です。

導入プロセスとしてはこの5つ。

  • ユニバーサルデザインの基本原則を理解する。

  • 現状のプロセスや評価方法を再検証する。

  • 組織やプロダクトにあわせてカスタマイズする。

  • プロダクトデザインのどの段階にも適用できる仕組みを作る。

  • 実際のプロダクト評価に利用しさらに改善していく。

「大きなゴールを描き、まずは小さく始める。」

はじめの一歩はここから生まれます。

まとめ

ユニバーサルデザインは新しい考え方ではないですが、先進諸国の少子高齢化社会への変化、個人のライフスタイルや価値観の多様化により年齢、性別、身体の状況、言語、国籍などに関わらず、できるだけ多くの人が暮らしやすい社会を実現するデザインの必要性が増してきました。

国連総会のグローバル目標のSDGs(Sustainable Development Goals: 持続可能な開発目標 *2)で掲げている “No one will be left behind"(誰も取り残さない)も、考え方としては近い概念です。

インターネットが人々の生活にますますとけ込んでいる現代では、テクノロジーやデータなどネットサービスを社会のデザインでも取り入れていくことが重要になってくるかと思います。

テクノロジーの進化とユニバーサルデザインの関係例については、私のnote記事もご参考ください。

まずは私たちの身近な生活の観察と自分の実験からはじめてみる、そんな小さな一歩が暮らしすい社会を実現していくのかもしれません。

*1 [参考] College of Design(参考ページはこちら
*2 [参考] THE 17 GOALS | Sustainable Development  - United Nation (参考ページはこちら
*3 [参考書籍] 五感を刺激する環境デザイン―デンマークのユニバーサルデザイン事例に学ぶ (書籍ページはこちら

▼その他の「ホンレコ」はこちら


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