【ホンレコ!】2冊目『モダンタイムス』

mediba社員が実際に本を読んで得た“学び・気づき・感動”を、自分と同じく求めているであろう方たちへお届け。本のレコメンド、略して『ホンレコ!』。

2冊目のレコメンダーは、このmedibaブログの編集・執筆者の1人でもあるメディア編集者が担当します。メディア作りのプロが本で得た“気づき”とは?

本日のおすすめ図書

『モダンタイムス』
(著)伊坂幸太郎
講談社
http://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000184852

こんなあなたに

・人気作家だと読んでいて安心
・ぐっとくるセリフが好き
・軽めの本から読書リハビリしたい方

レコメンダー

メディア編集 組橋

どんな本?

主人公はエンジニア。担当になった出会い系サイトの改修は発注元の素性不明、プログラムの内容も不可解な点が多い。ある特定の検索ワードが手掛かりになりそうだとわかり独自に調査を進めるが、踏み込むほどに危険が降りかかる。

単行本帯のキャッチコピーは「検索から、監視が始まる」。2008年発刊の伊坂幸太郎による小説です。

ここがポイント!

★「人生は要約できねえんだよ。」

ぐっとくるシーンやフレーズがひとつでもあると、「この小説面白かったなあ」ところっとやられることが、僕の場合多くあります。今回もそれで、作中の要所要所で「勇気はあるか?」と問われることがあり、それはそれでかっこいいなぁと思うんですけど、それよりも胡散臭い登場人物の発言にぐっときました。以下引用。

“人生は要約できねえんだよ。人ってのは毎日毎日、必死に生きてるわけだ。<中略>ただな、もしそいつの一生を要約するとしたら、そういった日々の変わらない日常は省かれる。<中略>でもな、本当にそいつにとって大事なのは、要約して消えた日々の出来事だよ。それこそが人生ってわけだ。”

物語の核心に近づくたびに登場人物に危険が迫り、人が死ぬこともあり、それでも着実にテンポよく展開する話に没頭する一方で、小説の外にいる現実の自分の周りを見渡してハッとさせられました。

人に話を聞いて、それを原稿にする仕事をしていますが、僕のその作業はまさに「人生を要約」するようなもの。原稿にならないような小さな出来事だけど、その人にとっては大切なエピソード。こぼれていくその人の事柄を、もったいないなぁと思いながらも盛り込めないむなしさ。でもいつか要約で省かれる日常を形にできる仕事ができればなぁと、ふと我に返って考えていたことを、いまもよく覚えています。

★読みやすい。読書の習慣づけの第一歩に。

もっともらしく些細な感想を書きましたが、読みやすさが魅力です。この作品に限らず、伊坂幸太郎の小説はどれも驚かせてくれる展開がたくさんあって、音楽の話なんかも出てきておもしろい。終わり方も気持ちがよく、とにかく読みやすい。

しばらく読書をしていなくて重くなった腰がなかなか上がらないとき、まず伊坂幸太郎の小説を読んで読む楽しさを浴びる。そこからまた生活の中に“読む”をなじませる、ということをよくやっています。

ちなみに

ちなみに、同作家の『魔王』は、主人公は違いますが本作の50年前の話、『ゴールデンスランバー』は本作と同時並行で執筆された作品。直接的、間接的にそれぞれの物語がつながっているように感じることができるので、あわせて読むとおもしろいかもしれません。

どれも読みやすいので、軽い気持ちで読んでみてください。

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