抽象化のススメ ー 今の時代に必要な思考法

mediba CXOの岡です。

medibaはたくさんのインターネットサービスを作り、提供する会社です。

「ユーザーの課題や要求が何か?」を考える上で、重要になるのが「抽象化」です。

今回はその抽象化について考えてみたいと思います。

 

抽象化って何?

『具体と抽象 – 世界が変わって見える知性のしくみ』(dZERO)によると、抽象化とは「さまざまな特徴や属性を持つ現実の事象のなかから、他のものと共有の特徴を抜き出して、ひとまとめにして扱うということ」です。

 わかりやすく図にしてみるとこのようになります。

つまり、ある事象をそのまま扱うのではなく、「要するに」と言い換えていくことです。

例えばこんな感じです。

上図の事象について特徴をつかむと、要するにモテたいと言い換えることができます。

抽象化をすることで、その事象・行為に対してその本質を見極めることができるのです。

 

なぜ抽象化をススメるのか?

例えばあるスマホのポータルサービスで「エンタメニュースを読む」「カジュアルゲームをする」「無料マンガを読む」というユーザーがいるとします。

その行動が、ポータルサービスの利用日数と相関がありそうだと推測し、次に取るべき施策をこのように考えました。

これは事象(ユーザーの行動)から考えた施策として一見正しそうですが、本当にそうでしょうか。

ユーザーの行動からユーザーの要求を抽象化してみると以下のようになります。

ユーザーの本質的な欲求を抽象化により導くと、「お金をかけず時間を楽しく満たしたい」が見えてきませんか?

抽象化することにより、このユーザーは「ゲームやマンガが好き」というわけではなく、「時間を楽しく過ごしたい」ためにこの行為をしているのかもしれないとなるわけです。

すると施策はどうなるでしょう?
この抽象化したニーズを満たす施策を、今度は「例えば」で考えてみると以下のようなアイデアが生まれます。

ゲーム、マンガといった延長的アイデアだけでなく、一見するとつながりがなさそうな「短めのおもしろ動画」という施策を出すことができました。

 

なぜ抽象化が今大事なのか?

このように、抽象化により一つの事象にとらわれず、その事象の特徴や背景からその本質をつかむことができます。

特にこれからの時代はいろいろなモノがインターネットにつながってきて、データ(つまり事象)が膨大な量になります。

さらに、人工知能がそのデータを使って施策を提案してくれる時代です。
人工知能がAと言うページの閲覧数とユーザーの購入額に相関関係を見いだし、Aページをもっと閲覧させよう!と教えてくれるなんてことは当たり前になっています。

しかし本当にAページの閲覧数を伸ばせば、購入額は上がるのでしょうか?

Aページの閲覧が「ユーザーにとってどんな行為であるか」という抽象化ができていないと、Aページをただ見せるだけでは本質を捉えきれていないかもしれません。

事象としてのデータが爆発的に取れる時代だからこそ、抽象化してその本質を捉えていかなければ事象に振り回されてしまうのです。

 

最後に

「抽象のはしご」と言う言葉をご存じでしょうか?
「抽象のはしご」とは、状況に応じて抽象度を変化させることの例え話です。

事象を抽象化したり、抽象化された概念から具象を生み出したり。
ものごとの本質をつかむために、抽象と具象の間を常に行ったり来たりをしていくことが大事です。

皆さまもぜひ、抽象化にチャレンジしてはいかがでしょうか?

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