【役員Blog】始動☆「South by South West」への旅

執行役員の小野村です。

今月テキサス州オースティンに赴き「South by South West」(以下SXSW)というイベントに参加してきました。

イベントの詳細はこんな感じです。

昨年に続き2年連続での参加になりましたが、簡単に所感とTipsを書いてみます。

・寒かった

昨年は半袖短パンにて参加した本イベントでしたが、今年は季節はずれの寒波に襲われてとんでもない寒さに。同時期の東海岸(ニューヨークなど)はブリザードで航空便があらかた欠航するなど大きな混乱をきたしていました。小野村はなるべく荷物を小さくしたい意図のもとかなりの薄着で臨んだため、毎日持っている限りの洋服を重ね着するカッコ悪い状況でした。最終日に近づくに連れて普段の陽気が戻ってきていましたが、来年以降参加される方は寒さへの対策も考えておいたほうが良いです。

*ニフティさんブースではしゃぐ弊社スタッフもダウンを着用。この展示は外国人にも激しくウケていました。

 

・ホテルは早めに押さえておこう

12月くらいに参加を決定してからホテル予約を試みましたが、会場近くのホテルはあらかた埋まる、もしくは恐ろしい金額(イベントレート)の部屋しか残っていませんでした。昨年もそうだったので知見が全く生かせていませんでした。結局会場から車で20分くらいのザッツモーテル!というホテルに泊まって、毎日レンタカーを運転して通いました。SXSWの醍醐味は昼のイベントもさることながら、お祭り騒ぎの夜に知らない人と酒を酌み交わすのも大きなポイントです。来年行く予定の人は、日程が発表になった瞬間に予約だけ入れておくのが良いと思います。来年は僕もそうします。

もしくは参加者を募ってAirBnBを利用するのもひとつです。多くの来場者が利用していたようです。Uberや同じようなサービスも発達しているので、移動も問題ない模様。会場でご挨拶させていただいた参加者の方も、会社で一軒屋を借りてそこから会場に通っていたそう。*冴え渡るテキサスの青空とモーテル。夜中まで表で奇声をあげる酔っ払いと時々遊びに来る小さなゴキブリ以外はすこぶる快適。

*会期中は車が多くなり、街の中心やフリーウェイはこんな感じで渋滞が多くなります。アメリカは国際免許を持っていれば自動車の運転が可能です。

 

・英語は話せたほうがいい

当然のことながら全てのカンファレンス、展示含めて基本は英語です。通訳や語学に堪能なマネージャーを連れていけるリッチ&フェイマス&エグゼクティブな人は問題ありませんが、生身で参加される方は最低限英語のコミュニケーションができたほうが良いでしょう。そうでもなくても楽しめるものはありますが、本来のイベントの魅力の2、3割に触れることしかできないと思います。僕も最低限のコミュニケーションはできるものの、まだかなりの物足りなさは感じます。早口のネイティブスピーカーが話すカンファレンスは置いていかれます。世界中から訪れている出展者、来場者とのコミュニケーションも基本的には英語なので、少しでも英語の能力を上げておくことはお勧めします。

*会場に並ぶ人たち。人気セッションは満席で断られることがあります。当然ながら外国人ばかり。

 

・何が楽しいのか、役に立つのか

僕自身はアイデア×クリエイティブ×テクノロジーのお祭りだと捉えています。近年はテクノロジーに主眼が置かれている(メディアの記事もテックメディアのものが目立つ)ように感じますが、もともと音楽のイベントから始まったというクリエイティブへの意識は失っていません。ここで一旗上げようというベンチャーから、自分たちの製品や技術を広めたい大企業、投資家、企業家、ミュージシャンや俳優、僕のような物見遊山まで本当に多種多様な人が集まってお祭りを作っています。無数のセッション、トレードショーの展示、街中で行われるイベントなど情報の洪水です。これらの人と情報と熱から得られるインスピレーションは並大抵のものではありません。実際の事業に生かすもよし、自分がやりたいことを見つけるもよし、新しい技術やクリエイティブの芽を見つけるもよし、楽しみかたも生かし方も自分次第で無限大に広がると思います。そのためにも是非英語を(以下略

 

・今年感じたこと

同行者がいたので彼らに展示を中心に見てもらい、僕はカンファレンスを中心に回ってみました。展示含めて技術的なイシューではVRが多かったです。FacebookやIBMなどの大きな企業からベンチャーまで最先端のVR技術をプレゼンしていました(僕はVRグラスを掛けた瞬間に酔うので体験できません…)。同行者の話ではある程度ハードは出揃った中で、コンテンツやソフトの技術が総じて上がっている印象、ただし驚くような技術の進歩は感じられなかったとのこと。

僕はとにかく膨大なセッションの中で、テーマを決めて探していました。今年のテーマは「ダイバーシティ」にしました。弊社のメディア「Z-TOKYO」の編集テーマでもありますが、技術やクリエイティブの多様性、様々な使われ方にフォーカスを当てたものを見て回りました。

最も興味深かったセッションはインタラクティブのキーノートであるジェニファー・ダウドナさんの遺伝子編集技術(CRISPR-Cas9)に関するものでした(内容はこのサイトが分かりやすいです。セッションもこのサイトレベルで分かりやすかった)。ヘルスケア分野の新しいサービスは例年カンファレンスでも展示でも紹介されていますが、ここまでのクラスのものはなかなか出ないのではないでしょうか。専門用語が多く、セッションを聞きながら検索しまくって聞いていましたが、テクノロジーによって生命そのものが変容していく(一方でその使い方は本当によく議論されるべきものでもある⇒人間から多様性が失われていく可能性がある)ことを感じる内容は素晴らしいものでした。

その他セッションで目立ったのは、マリファナとLGBTQをテーマにしたものです。特にマリファナは、昨年11月に新たに5州で全面合法化(マサチューセッツ、メイン、ネバダ、アリゾナ、そしてカリフォルニア)されたことを受けて盛り上がっていました。面白いことに会場であるテキサス州ではまだ非合法ですが、スポンサードセッション含めて多くの新しい企業がこの合法化された嗜好品をテーマに掲げていました。ここで大麻の是非を論じることはナンセンスなので省きますが、注目したいのは規制緩和に合わせた企業の動きの早さです。どこで買えるかを調べられるアプリケーションから、SEXの際に使う噴霧式のオイルにいたるまで(このセッションは宣伝臭が強いにも関わらず面白い稀有なセッションだった)猛烈な速さでビジネスの可能性が試されています。このスピード感はなかなか真似できないものではありますが、少しでも近づきたいと強く思いました。

*VRゲームを楽しむ少年。会期前半のCreateという会場や、会期後半のGame Expoはバッジを持っていなくても入場ができるため、多くの家族連れで賑わっていた。

*真剣にディスカッションを重ねるビジネスマンたち。しかし語っているのはマリファナビジネスをどう大きくするか。

・日本企業と日本人、外国人

昨年も同様でしたが展示会場には多くの日本のベンチャーが出展しており(東大のチームがピッチで優勝しましたね。おめでとうございます)、街中にもパナソニック社、ソニー社、公式スポンサーであるマツダ社などのロゴが踊っています。インタラクティブには近藤麻理恵さんや東大のチームが、ミュージックにはMIYAVIさんや東京スカパラダイスオーケストラさんなどが出演し、日本人の参加者も大変多かった印象です。個人的にはSONYさんで詳しくお話を伺ったり(Z TOKYOで記事になります)、ニフティさんのデイリーポータルチーム(林さん!)にご挨拶させていただいたりと充実していました。ソニーさんは相当気合の入ったブースを構えており、街で会った外国人も「ソニーのブースは良かったねえ!」と好評だったようです。展示会場のオースティンコンベンションセンターには日本だけではなく、世界各国のブースが参加しており、国として参加しているところから何社か集まって出ているところまで様々でした。お隣の韓国や中国も大きめのブースに数社が集まって展示を行っていました。国際色の豊かさはとても面白く、各国の最新の技術に触れられることもこのイベントの楽しさのひとつです。日本企業も日本人もどんどん出ていくべきだと思います。日本人が多くなったからつまらなくなったなんてことはありません。

外国人と言えば、イスラム教をテーマにしたセッションもいくつか出席しました。あまり集客には恵まれていませんでしたが、トランプ政権になりより逆風が吹いているアメリカにおいても、イスラム教の女性が強く前を向いてビジネスを行っていこうとしている姿勢が印象的でした(この女性のセッションを聞きました。アメリカで生まれた、バリバリのニューヨーク英語を話すパワフルなムスリムの女の子です)。

*ムスリムガールセッションのひとこま。東海岸の英語は早いです…

・余談

本出張に際して、以前からリストに入っていたBose社のQuiet Comfort35を購入しました。結論から申しますと、最高以外の言葉が見当たりません。音質も過不足無く、飛行機の全工程30時間以上つけっ放しであっても充電は十分、どこかが痛いなどのストレスもありません。なにより騒音が軽減されるだけで、これだけストレスが減り、これだけよく眠れるということを痛感しました。結果的に本出張で一番お世話になったのはBose社のノイズキャンセリング技術だったことになります。購入を迷われている方は今すぐポチったほうが良いです。

・総括

間違いなく刺激に満ちた1週間です(全工程に参加すると1週間以上ですが)。目を開いて、心を開いて、英語を多少習得すれば、持ち帰ることができるものは本当に多いです。来年現地でお会いできることを楽しみにしています。